1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07238203
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
深尾 良夫 東京大学, 地震研究所, 教授 (10022708)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大林 政行 名古屋大学, 理学研究室, 日本学術振興会:特別
|
Keywords | スーバーブルーム / 核マントル境界 |
Research Abstract |
マントルプルーム特にホットプルームの実態を探るにはその発生源と思われる核-マントル境界が魅力的である。我々は今までISCの地震PcP波走時データにより核-マントル境界直上の不均質構造を明らかにしてきた。それは東南アジアと中米に正の北極地方に負の走時異常があるというものである。本研究では仏領ポリネシアでデータを収録し加えることで、マントルプルームの実態をより明らかにすることを目的としたが、後述の理由により変更を余儀なくされた。そこで、WWSSNのアナログ波形データからP波とPcP波の走時を読みとり、先の研究の検証を試みた。また、正確な読みとりにより南太平洋下のプルームの構造の解像度改善を狙った。現段階ではWWSSNの記録中 '75年6月から '77年12月まで400あまりのデータを読みとっている。これらのデータを使って先の結果を検証してみたところ、大局的には支持しているといえる。特に東南アジアでの正の走時異常は確実なものである。 研究変更の理由 フレンチポリネシアの地震観測網はフランス原子力委員会の地球物理研究所の管轄であり、その最高責任者はY. Caristan博士、またポリネシア現地における観測網の責任者はD. Reymond博士である。そこで両博士に本研究の目的を述べデータ収集と現地観測に対する協力を依頼する手紙を送った。現地責任者のReymond博士からはすぐに歓迎する旨の返事があり、Caristan博士に許可を促す手紙を出したとの報告を受けた。しかしCaristan博士からは返事がないままにフランスの核実験が始まり、なぜ許可が下りないか理解できた次第である。もともと原始力委員会はデータ公開に対して非協力なところであり、今回は折角、現地責任者からは歓迎する旨の返事をもらったものの、核実験強行の過程でついに最終許可が得られず[ポリネシアでデータをトル!]という研究目的の達成は断念せざるを得なかった。
|
Research Products
(1 results)