1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07239101
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
石亀 希男 東北大学, 科学計測研究所, 教授 (40006143)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石井 忠男 岡山大学, 工学部, 講師 (90033240)
岡崎 秀雄 新潟大学, 理学部, 教授 (60018265)
辛 埴 東京大学, 物性研究所, 助教授 (00162785)
小藤 吉郎 徳島大学, 総合科学部, 教授 (40029872)
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Keywords | プロトン導電体 / ペロブスカイト型酸化物 / 人工格子 / レーザーアブレーション / 光電子分光 / EXAFS / 分子動力学 / イオンダイナミクス |
Research Abstract |
本計画班では、イオン間相互作用を制御した界面を有するイオン導電性人工格子を作製し、その基本物性を明らかにする(石亀グループ)と共に、その構造とイオンダイナミックスの関係(小藤)及びその電子構造とイオンダイナミクスの関係(辛)を実験的に研究し、これと平行して電子系を含めたイオンダイナミクスの基礎論理(石井)及び固体内におけるイオンの高速移動過程について、分子動力学によるシミュレーション(岡崎)研究を行い、高速イオン移動現象の基本機構並びに発現機構を解明することを目的として研究を推進した。 (石亀グループ)イオン導電性人工格子を作成するための装置の設計と作製、立ち上げとイオン導電性薄膜の作製を行い、SrTiO_3基板上にはSrZrO_3薄膜が(010)方向にのみ成長することを明らかにし、基礎吸収端の吸収スペクトルを始めて観測した。 (小藤)SrZrO_3にYbを固溶させた系について、局所構造をXAFS法及びX線回折法により調べ、Yb_2O_3の固溶により生じた酸素空孔がYbの周囲にあることを明らかにした。 (辛)n型のNbドープのSrTiO_3とScドープのp型-SrTiO_3を対象に光電子スペクトルの測定を行い、n型にはギャップステイトが存在しているが、p型にはギャップステイトは存在せず、リジッドバンドモデルに従っていることを明らかにした。 (岡崎)YSZ系の超格子におけるイオン移動について、分子動力学法によるシミュレーションを行った。 (石井)イオン導電体超格子を対象に、超格子構造がイオンによる動的電気伝導度にいかなる影響を及ぼすかを、一体問題として詳細に検討した。 以上、本年度行なわれた研究成果について述べたが、人工超格子の作製技術の開発が実現し、各種人工格子の作製への糸口が得られたため、共通試料による実験グループの実験遂行と、得られた実験結果と直接関係する理論的研究の推進が今後の課題と考えている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石亀希男、湯上浩雄: "イオン伝導性酸化物の光物性とイオンダイナミクス" 電気化学及び工業物理化学. 63. 694-698 (1995)
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[Publications] H.Yugami,Y.Chiba,M.Ishigame: "Local structure in Y^<3+>-doped SrCeO_3 crystal studies by site-selective spectroscopy" Solid State Ionics. 77. 201-206 (1995)
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[Publications] Y.Ito,T.Mukoyama,M.Mori,K.Koto: "The structure of Gd_2O_< 3> doped Bi_2O_3 at s low temperature" Solid State Ionics. 79. 81-83 (1995)
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[Publications] S.Shin,A.Agui,M.Fujisawa,Y.Tezuka,T.Ishii: "Resonant photoemission study on the boron Is excitation of the wide-band-gap semiconductor cBN" Phys.Rev.B52. 11853-11858 (1995)
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[Publications] H.Okazaki,H.Suzuki,K.Ihata: "Molecular Dynamics Study of Superlattice Superionic Conductor" J.Phys.Soc.Jpn.63. 3556-3559 (1994)
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[Publications] T.Ishii and T.Abe: "Non-Debye Behaviors of Dynamic Conductivity in a Superionic ConducterSuperlattice" accepted for publication in Solid State Ionics. (1996)