1995 Fiscal Year Annual Research Report
ペロブスカイト型新高リチウムイオン伝導体の化学設計
Project/Area Number |
07239213
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伊藤 満 東京工業大学, 工業材料研究所, 助教授 (30151541)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
稲熊 宜之 東京工業大学, 工業材料研究所, 助手 (00240755)
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Keywords | イオン伝導体 / サイトパーコレーション / ペロブスカイト / イオン置換 / リチウムイオン |
Research Abstract |
ペロブスカイト型酸化物(LaLi)TiO_3における高イオン伝導性のメカニズムを解明し、本化合物よりもイオン伝導度が高い新規化合物設計のための基礎データを得るために以下の実験を行った。(1)高イオン伝導度を支配する因子の抽出(2)イオン置換による新規化合物の探索。その結果、以下の結果が得られた。 (LaLi)TiO_3における高リチウムイオン伝導を支配する主な因子は(a)キャリアー濃度(b)サイトパーコレーション(c)ボトルネックサイズ(d)B-サイトイオンの価数の4つであり、これらの因子を最適化することにより、より高いイオン伝導度を持つ化合物の設計が可能であることを見出した。さらにイオン置換の実験から、イオン置換に伴って置換イオンと溶媒イオンの大きさが異なる場合、溶質イオンの周りの局所歪みがボトルネックサイズを減少させ、全体として見掛け上格子定数が増加する場合でも置換量が増加すれば局所歪みの効果が支配的となり、イオン伝導度を低下させることを見出した。さらに、同じ大きさを持つ異なるイオンで置換した場合のイオン伝導度の解析から、B-イオンと酸化物イオンの間の共有結合性も重要なファクターであることを見出した。つまり、リチウムイオン伝導を支配するのは(a)〜(d)の因子に加えて、(e)局所歪み(f)B-Oイオン間の共有結合性であり、これらの因子を最適化あるいは意識しながら材質設計することにより、(LaLi)TiO_3に匹敵あるいは凌駕するイオン伝導体が得られる可能性を指摘した。さらに、これらの事実を認識するために分子動力学シミュレーションにより、イオン伝導について再現を試みた結果、完全イオン結晶ではイオン伝導は起こらず、共有結合性を取り入れないと、イオン伝導が現れないことも明らかになった。
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[Publications] Y.J.Shan他 3名: "Oxide Cathode with Perovskite Structure for Rechageable Lithium Batteries" Journal of Power Sources. 54. 397-402 (1995)
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[Publications] Y Inaguma他4名: "Lithium Ion Conductivity in Perovskite-type LiTaO3-SrTiO3 Solid Solution System" Solid State Ionics. 79. 91-97 (1995)
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[Publications] Y.J. Shan他 2名: "The Effect of Electrostatic Potentials of Lithium Insertion for Perovskite Oxides" Solid State Ionics. 79. 245-251 (1995)
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[Publications] 伊藤 満、稲熊宜之: "ペロブスカイト型酸化物における高リチウムイオン電導性" 電子材料. 67-71 (1995)
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[Publications] Y. Inaguma; Mitsuru Itoh: "Influnces of Carrier Concentration and Site Percolation of Lithium Ion in Perovskite-type Oxides" Solid State Ionics. (印刷中). (1996)
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[Publications] T. Katsumata 他2名: "Influenc of Site Percolation and Local Distortion on Lithium Ion Conductiviy in Perovskite-type Oxides La_<0.55>Li_<0.35-x>K_x TiO_3 and La_<0.55>Li_<0.35>TiO_<3->KMO_3." Solid State Ionics. (印刷中). (1996)