1995 Fiscal Year Annual Research Report
高速イオン導電性酸化物薄膜の作製とエレクトロクロミックグレージングへの応用
Project/Area Number |
07239227
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
桑原 勝美 名古屋大学, 工学部, 講師 (40023262)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 邦仁 名古屋大学, 工学部, 教授 (30133094)
鈴木 豊 名古屋大学, 工学部, 助手 (60023214)
徐 元善 名古屋大学, 工学部, 助手 (30242829)
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Keywords | イオン導電率 / 固体電解質 / 水酸化インジウム / エレクトロクロミックグレージング / エレクトロクロミズム / 薄膜 / 酸化タングステン / 酸化モリブデン |
Research Abstract |
[研究目的] エレクトロクロミック(EC)グレージングは太陽光の透過量をダイナミックに調節するための省エネルギー、省資源用素子である。EC材料薄膜に接する電解質はイオン導電率と光の透過率が大きく、しかも材料抵抗による印加電圧の損失を抑制するためにできるだけ薄い膜状にする必要がある。本研究では安価で簡便な湿式法により高速イオン導電性酸化物薄膜を作製して固体電解質としての特性評価を行い、ECグレージングへの応用の可能性を検討することを目的とした。 [実験方法] 各種金属塩粉末を脱イオン水に溶解させた後、アンモニア水を滴下することにより得られた水酸化物ゲルのコロイド溶液をディップコーターによりガラス基質上に製膜し、その薄膜をXRD、SEM、AFM、膜厚測定、導電率測定などにより評価を行った。次にEC薄膜を湿式電解法によって作製し、酸化還元に伴う透過率の変化、電流-電位曲線など基本的な特性を測定した。 [実験結果] 各種金属水酸化物ゲルのうち、In(OH)_3が最も優れた性能を示した。ディップコート法により作製した薄膜のXRD測定を行った結果、製膜直後の相はほぼ非晶質であることが明らかとなった。薄膜の表面高低差は5nm程度で非常に均質であり、膜厚は製膜直後も60、80、110℃での熱処理後もほぼ同様に1層で42nm程度で、その相はいずれも非晶質であった。累積したときの膜厚は2層、3層でそれぞれ82nm、123nmであった。導電率測定には、ガラス基質上に櫛型電極をAuスパッタで作製してから電解質薄膜をコートし、60℃で加熱したものを用いた。交流法測定により得られた25℃における導電率は6.6×10^<-6>S/cmであった。EC薄膜としてはWO_3、MoO_3、NiOOHを湿式電解法により調製することができ、各々の基本特性は良好であることがわかった。ECグレージングの作製と評価については検討中である。
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