1995 Fiscal Year Annual Research Report
新規酸化物イオン導電性固体電解質の開発と高温固体電解質燃料電池への応用
Project/Area Number |
07239230
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Research Institution | Nagoya Institute of Technology |
Principal Investigator |
池田 章一郎 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (90024364)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 秀樹 名古屋工業大学, 工学部, 助教授 (50209441)
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Keywords | 固体電解質 / 酸化物イオン導電体 / 燃料電池 / ペロブスカイト型構造 / ランタニド元素 / ゾル-ゲル法 |
Research Abstract |
高温固体電解質型燃料電池(SOFC)用固体電解質として、安定化ジルコニアに代わる、易焼結性で、高い酸化物イオン導電性を示す、新規な固体電解質の開発を行った。まず、一連の既存酸化物、酸素酸塩等の見直し、ペロブスカイト型等をとると予想される各種複合酸化物をゾル-ゲル法を利用して合成し、焼結体の調製とその酸化物イオン導電率の測定、高温燃料電池の固体電解質としての適合性を検討した。 ペロブスカイト型(例えばLn-Mx-My-O系(Ln=Y,La,Ce等,Mx=Sr,Ca,Mg,My=Mg,Zn,Mn等)の結晶構造を持つと予想される新規な酸素酸塩類や複合酸化物を主として1:2:3:7の組成比で検討した。またLn_2MxO_4(K_2NiF_4型構造)の組成でも行った。0.1mol/dm^3の金属酢酸塩を所定比で混合し、pH6.8に調節し、12時間撹拌後、70℃の乾燥器で2〜3日の予備乾燥、110℃で6時間の減圧乾燥、600〜900℃で6〜12時間仮焼後、微粉砕し、100meshを通過したものを、0.5ton/cm^2で仮成型後、5ton/cm^2で静水圧プレスにより直径約12mm、厚さ約1〜2mmの円板状に成型した。既存炉または本年購入した高温炉で、空気中種々の温度(最高1600℃)で焼結した。焼結体の両面に白金ペーストを焼き付け導電率および輸率測定試料とした。周波数応答特性測定器による試料の交流インピーダンス測定とCole-Coleプロットから、バルク導電率・界面インピーダンス等を求め、全導電率の評価をした。酸素-水素電池または酸素濃淡電池の起電力から作製試料の酸化物イオン輸率の測定を行った。La_2CaO_4(1250℃)の空気雰囲気中とAr雰囲気中で測定した全導電率は、700℃でそれぞれ6.4×10^<-4>と4.4×10^<-4>Scm^<-1>であった。1500℃焼結体の酸素-水素電池の起電力から求めた酸化物イオン輸率は0.96〜0.99であった。
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