1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07241106
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梶山 千里 九州大学, 工学部, 教授 (60037976)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
君塚 信夫 九州大学, 工学部, 助教授 (90186304)
栗原 和枝 名古屋大学, 工学部, 助教授 (50252250)
荒木 孝二 東京大学, 生産技術研究所, 助教授 (40134639)
山崎 巌 北海道大学, 工学部, 教授 (80002111)
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Keywords | 有機単分子膜 / ラングミュアーブロジェット / 多段階クリープ法 / 大面積・低欠陥単分子膜 / 光導波路 / 相補的水素結合 / 分子認識 / 二分子膜 |
Research Abstract |
1.水面上での構造緩和現象に基づいた単分子膜調製法である多段階クリープ法により、調製されたC60膜の高分解能AFM像は、C60分子が2次元六方晶に最密充填していることを示している。C60膜の厚さは0.7〜0.8nmであり、π電子雲を含んだC60の分子直径が0.7nmであることから、多段階クリープ法により調製されたC60膜は単分子膜であると結論できる。 2.一連のシアニン色素分子から成るLB多層膜における連鎖型励起移動では、各色素分子の蛍光生成・減衰曲線の解析から、移動経路には2種類あり、通常の弱い相互作用機構に基づく遅い移動(100ps〜1ns)と、速い移動過程(1〜10ps)があり、これらの特性が分子連鎖に依存することを見出した。 3.両親媒性物質のミクロ相分離に基づく自己組織化能に注目し、多重水素結合で形成されるユニットに両親媒性構造をもたせ、ユニットの自己組織化分子系超構造を形成した。ヌクレオシドのリボース水酸基に極性が低く屈曲性の高いアルキルシリル基を導入した誘導体を合成した。この分子は、水素結合部位が核酸塩基部位のみに限定され、さらに剛直性と屈曲性、極性と非極性の様な相反する性質を分子内に有する両親媒性構造となり、多様な分子集合状態の形成が可能となった。 4.核酸塩基対形成の相互作用を調べるために、アデニン、あるいはチミンのアンモニウム型長鎖誘導体(一鎖型および二鎖型)の単分子膜を、雲母基板上にLB法で1層移し、その間の相互作用を測定した。一鎖型と二鎖型は、生理的なpHで相補的な塩基対の場合には、遠距離から安定な引力が働くことを確認した。 5.自律組織化が相補的水素結合部位のみでなく、サブユニット分子構造に依存したプロセスであることを明らかにする目的で、三分子系超分子組織体の自律組織化について検討した。自律組織化によって得られる水溶性分子膜複合体においては、サブユニット分子の構造が厳密に識別され、サブユニットの分子構造に依存した分子組織状態の制御が可能となった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] T.Kajiyama: "Direct Observation of Defect-Diminished Fatty Acid Monolayers and Their Optical Applications" Thin Solid Films. 273. 84-89 (1996)
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[Publications] T.Kajiyama: "Scanning force microscopic study of surface structure and properties of(alkylsilane/fluoroalkylsilane)mixed monolayers" Supramolecular Science. 3. 123-130 (1996)
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[Publications] I.Yamazaki: "External Electric Field Effects on Fluorescence of Methylene-linked D-A Systems in Polymer Films;(Carbazole)-(Ch2)n-(Terephthalic acid methylester)" J.Phys.Chem.,. 100. 19295-19302 (1996)
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[Publications] K.Araki: "6-Amino-2,2′-Bipyridine Derivatives as a New Fluorescent Organic Compounds" J.Chem.Soc.,Perkin Trans. 2. 613 (1996)
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[Publications] K.Kurihara: "Specific Adsorption of Flagellar Flif Protein Ring on Mica Surfaces as Studied by Atomic Force Microscopy and FT-IR Spectroscopy" Colloid Surface A. 109. 375-384 (1996)
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[Publications] N.Kimizuka: "Stepwise Synthesis of a Mixed Valent Fe(II)-Fe(III)Comlex in Cast Multibilayer Films" Molecular Crystal Liquid Crystal. 277. 189-194 (1996)
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[Publications] T.Kajiyama: "New Developments in Construction and Functions of Organic Thin Films" Elsevier Sci.,38 (1996)
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[Publications] 山崎巌: "有機フォトクロミズムの化学" 学会出版センター, 7 (1996)