1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07241217
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
高橋 卓也 東京大学, 教養学部, 助手 (70262102)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
神山 勉 名古屋大学, 理学部, 教授 (30170210)
永山 国昭 東京大学, 教養学部, 教授 (70011731)
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Keywords | プロテオリポソーム / 結晶化薄膜 / バクテリオロドプシン / 配向制御 / CDスペクトル / 凍結割断電子顕微鏡像 / 2次元結晶 / プロトンポンプ |
Research Abstract |
素構造であるバクテリオロドプシン(bR)のプロテオリポソームを各種のアルキル鎖長を持つ脂質(DLPC,DMPC,DPPC,DSPC)を用いて作製した。具体的には、1)紫膜から界面活性剤を用いて再構成、または2)球殻状構造体からリポソームに融合して再構成を行った。作製したプロテオリポソームでプロトンポンプ活性を確認した。 プロテオリポソーム上でのbRの構造を円二色性(CD)分散計及び透過型電子顕微鏡を用いて解析した。bR内のレチナ-ルに由来するCDスペクトルは脂質の種類に依存して温度相転移を示し、脂質の相転移温度が低いものほど蛋白質の会合が低温で生じるという結果が得られた。DMPCプロテオリポソーム試料を急速凍結して膜の割断面を電子顕微鏡により観察したところ、その会合体は3量体であり、分散して存在していることがわかった。相転移温度より低温では、DMPCプロテオリポソーム試料に高濃度の塩(〜4M、NaCl)を添加すると、膜内にbRの2次元結晶が観測され、CDスペクトルにも顕著な変化が見られた。その格子定数は約10nmで、以前報告された値より1割程度大きかった。DPPCプロテオリポソームでは、結晶化は起こらずCDスペクトルにも顕著な変化が見られなかった。相転移温度より十分高い温度では、構成脂質によらずNaCl濃度に依存してCDスペクトルの変化が見られた。 bR球殻状構造体では、膜状に高度に配向したbRが密に存在し、そのCDスペクトルに弱い温度依存性が観測された。球殻状構造体には逆プロトンポンプ活性が存在し、その形状が非常にそろっている。それを素構造とし、水サブフェイズ法を用いてその2次元結晶を作製中である。
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[Publications] S.Takeda,H.Yoshimura,S.Endo T.Takahashi,and K.Nagayama: "Control of Crystal Forms of Apoferritin by Site-directed Mutagenesis" Proteins. 23. 548-556 (1995)
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[Publications] K.Nagayama,S.Takeda,S.Endo and H.Yoshimura: "Fabricaiton and Control of Two-Dimensional Crystalline Arrays of Protein Molecules" Jpn.J.Appl.Phys.34. 3947-3954 (1995)
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[Publications] 神山 勉: "膜蛋白質を結晶化する新しい方法" 日本物理学会誌. 50. 39-42 (1995)