1995 Fiscal Year Annual Research Report
ポルフィリン・スチルバゾール・ポリペプチドの組織構造化による反応制御系の構築
Project/Area Number |
07241258
|
Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
井上 祥平 東京理科大学, 工学部, 教授 (20010762)
|
Keywords | 金属ポルフィリン錯体 / スチルバゾール / ポリペプチド / 光制御 / 反応制御 |
Research Abstract |
本研究の目的は、金属ポルフィリン錯体、スチルバゾール、およびポリペプチドという生体分子あるいはそれと極めて関連の深い3種の素構造分子を一定の配列に制御、組織構造化することによって、光、溶媒、温度等の環境条件によって化学反応を制御できるという全く新しい概念の系を構築することである。すなわちこの分子系超構造は、化学反応部(ポルフィリン錯体)、光制御部(ポルフィリンの励起およびスチルバゾールの幾何異性化)、ならびに環境制御部(ポリペプチドのコンホメーション変化)の3つの部分が一定の配列に組織化されていることに特徴がある。いうまでもなく、金属ポルフィリン錯体/ポリペプチド系は光合成系、ヘム酵素系などの基本構造であり、不飽和化合物/ポリペプチド系は視覚系の初期過程に必須である。 光制御部の組織構造化にはポルフィリン錯体およびスチルバゾールの構造の適切な設計が必須である。申請者らは平成7年度の研究において、ある種のポルフィリン亜鉛錯体へのスチルバゾール誘導体の配位において、後者のシス体とトランス体とで配位能に差があることを見いだした。また、種々の置換基を有するポルフィリンの亜鉛錯体、種々の置換基をもつスチルバゾールのシス体、トランス体を合成することにより、この差を大きなものとし、例えばシス体あるいはトランス体の一方のみしか配位しないような系を設計することに成功した。平成7年度、上記の検討によって得られた結果に基づき、シス体、トランス体間の配位能の差の大きい系を選び、紫外光、可視光の照射によるトランス【double half arrows】シスの異性化に基づく配位の可逆的制御に
|
-
[Publications] Y. Iseki, E. Watanabe, A. Mori, S. Inoue: "Photoresponsive Coordination of Stilbazoles to Metalloporphyrins" J. Am. Chem, Soc.115. 7313-7317 (1993)
-
[Publications] Y. Iseki, S. Inoue: "Photoswitchable Complexation of Metalloporphyrins" J. Chem. Soc., Chem. Commun.1994. 2577-2578 (1994)