1995 Fiscal Year Annual Research Report
高次構造制御と機能複合化による特殊反応場の触媒設計
Project/Area Number |
07242107
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
菊地 英一 早稲田大学, 理工学部, 教授 (90063734)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋本 和仁 東京大学, 工学系研究科, 助教授 (00172859)
市川 勝 北海道大学, 触媒化学研究センター, 教授 (70176288)
大塚 潔 東京工業大学, 工学部, 助教授 (60016532)
堂免 一成 東京工業大学, 資源化学研究所, 助教授 (10155624)
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Keywords | NO選択還元 / 光触媒 / 触媒反応分離 / ミクロ空間複合金属 / 複合触媒機能 / 水分解 / ヒドロキシルアミン |
Research Abstract |
本研究では,触媒機能を最大限に発揮させるための機能複合化による新反応系の構築と構造高次化による高機能化を目的とした。高次構造を制御した固体表面上に複数の機能をバランスよく集積する手法で機能複合化による高機能化の原理を確立するとともに,特殊反応場として分離機能や電気あるいは光による活性化と触媒機能が複合した反応場を対象とした。以下に結果を示す。 In/H-ZSM-5触媒へのIr等の貴金属の複合効果を検討した結果,水蒸気存在下での活性低下の原因であるNO酸化が促進されること,および本触媒は実排ガスレベルの低濃度のNO除去にも有効であることが明らかとなった。添加したIrはNO酸化反応のみならず,Inサイト上へのNO2吸着を促進し,その濃縮効果により極低濃度のNO還元反応に対しても有効であると考えられる。(菊地) 活性炭、ゼオライトなどの典型的な吸着剤と酸化チタンのハイブリッド触媒を調製し,それをフィルター形状,ハニカム形状などに固定化した。この複合光触媒を用いて,空気中の悪臭成分のモデル物質としてアセトアルデヒド,チオールなどの除去,および水中の汚染物質のモデル物質としてクロロフェノールの除去などを試みた。(橋本) NOとH_2およびそれぞれの活性点を酸性電解質を含んだ隔膜で分離し,電気的に接続してNO-H_2電池を形成させると,副反応を伴わないヒドロキシルアミンの選択的合成が可能となる。NOおよびH_2の活性化触媒にそれぞれFe-フタロシアニンとPt黒を用い,隔膜にリン酸膜を用いて両極間を電線で短絡するとFe-フタロシアニン上で選択率100%でヒドロキシルアミンが生成した。(大塚) イオン交換能を持つ層状ペロブスカイト型複合酸化物を用いて水の全分解反応を検討した。その結果ニオブ系層状ペロブスカイトの層間にチタニア・シリカ架橋を施し炭酸ナトリウム水溶液中で白金を担持した系を用いて水の全分解を達成した。またチタン系層状ペロブスカイトにニッケルを担持することにより極めて効率よく水が分解することを見いだした。(堂免) 1)ゼオライト細孔内へのシップインボトル合成により得られた構造規定RuCo/NaY複合金属触媒が低圧CO+H_2反応においてC_1〜C_5高級アルコールを高選択率で生成することを見いだした 。2)メソ細孔FSM-16中に合成したPtクラスター触媒は,オレフィンの水素化反応,水性ガス反応,メタンのホモロゲーション反応等に著しく高活性を示し,顕著なミクロ空間特殊反応場の存在を見いだした。3)BiPdおよびTlPd複合金属触媒上でブタジエン水素化反応に極めて高い選択的オレフィン生成が得られ,複合金属触媒機能の協奏メカニズムを明らかにした。(市川)
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