1995 Fiscal Year Annual Research Report
固体表面構造を配位圏にもつ有機金属錯体の光活性化による触媒設計
Project/Area Number |
07242228
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
森川 陽 東京工業大学, 工学部, 教授 (00016396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海老谷 幸喜 東京工業大学, 工学部, 助手 (50242269)
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Keywords | 有機金属錯体 / 光活性化 / 触媒設計 |
Research Abstract |
本研究では、固体表面に固定化した有機金属錯体を光活性化し、新規な光触媒を設計することを目的とした。固体としては、光透過性に優れている多孔質バイコールガラス(PVG)を、有機金属錯体としては金属-金属間の結合を有さず、ロジウム原子間が塩素原子で架橋されているクロロジカルボニルロジウム(I)ダイマー、[RhC1(CO)_2]_2、を研究対象とした。 PVG上のロジウムダイマー錯体の光照射による構造変化を紫外可視吸収分光法で検討した。担持直後のロジウムダイマー錯体の吸収スペクトルは、溶液中の吸収スペクトルとほぼ同じであり、錯体はPVG表面上に構造を保持したまま存在していることが判明した。担持錯体に脱気下で光照射を行うと、元々の吸収スペクトルが減少し、新たに230nm付近に幅広い吸収が現れ、光照射による構造変化が示唆された。光照射下で担持錯体から脱離するガスは、ロジウムダイマー錯体の配位子である一酸化炭素であることが質量分析法により確認された。このことから、配位子の一酸化炭素が光脱離し、ロジウムダイマー錯体の構造が変化したと推察される。15EA03:プロピレンの水素化反応をテスト反応として、ロジウムダイマー錯体の構造と光触媒活性との関連を検討した。その結果、担持直後のロジウムダイマー錯体は光触媒活性を示さず、光照射を続けることで誘導期を伴って徐々に定常活性が現れてくることが明かとなった。また、予備光照射を行うことで誘導期は短くなることも明かとなり、光照射下で構造変化したロジウムダイマーが光活性種であることが明かとなった。また、プロピレンの光水素化反応について、反応速度に対するプロピレン圧および水素圧の依存性に基づき、反応機構を提案した。
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