1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07244104
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
廣瀬 通孝 東京大学, 工学部・附属総合試験所, 助教授 (40156716)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桐山 孝司 東京大学, 人工物工学研究センター, 助教授 (10234402)
池井 寧 東京都立科学技術大学, 工学部, 助教授 (00202870)
金井 理 北海道大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (90194878)
横井 茂樹 名古屋大学, 情報文化学部, 教授 (20115744)
原島 博 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (60011201)
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Keywords | 人工現実感 / 仮想世界 / 多面形立体映像 / 力覚ディスプレイ / 画像データベース / 遠隔地間コニュニケーションシステム / 拡張現実感技術 |
Research Abstract |
人工現実感の研究において、仮想世界の中に作り込む内容(コンテンツ)自体が重要な研究仮題である。第3班の研究では多様な仮想世界を創出するための道具立てを整備し、それによってさまざまな仮想世界を創出し、その可能性について吟味することが目的となる。以下に第3班における本年度の研究実績の概要をまとめる。(括弧内は計画研究分担者) 仮想世界提示用ワークベンチの開発: 本年度は最終年度であり、とりまとめのためのVR環境が必要である。そのため、仮想世界を高い臨場感で体験するための多面形立体映像表示装置を開発し、あわせて、様々なソフトエアがその上で動作可能な基本ソフトウエアの開発を行った。(廣瀬) シミュレーション世界の構築のためのソフトウエア: シミュレーションによって、仮想世界を創出するための基本的なソフトウエアの開発がここでの課題である。具体的には以下のような研究成果が得られた。仮想世界の構築のための物体の対話操作について特に両手操作のシステムの開発及び、手を用いて道具を操作するための知識ベースを開発した。(横井) 形状モデルを3次元的に確認・操作可能な人工現実感生成技術を導入し、デジタルな形状モデルのみで、物理モデルと同等の高精度な曲面提示を行うため、力覚ディスプレイを開発した。力覚ディスプレイを自由曲面CAD/CAMシステムに導入し、作業効率や作業制度を評価した。(金井) 仮想空間の物理法則をシミュレーションする手法を開発した。ユーザがオブジェクトを把持し、操作しているとき、オブジェクト同士が接触した際に、発生する挙動を検討し、回転などの表現を実現した。(池井) 人間をCGで表現しようとしたとき、人間の表情、人間の表情、頭髪、掌握動作、歩行動作などの様々な要素を考慮する必要がある。これらの要素のうち、特に掌握動作と頭髪について掌握動作の生成手法及び、個性的な頭髪のモデリング手法について提案を行った。(中嶋) 仮想世界と実世界それぞれの作業特性を生かすために1)実世界造形、2)仮想世界への形状投入、3)仮想世界造形、4)実世界への出力の各機能を考え、仮想世界造形手法の開発及び実世界の出力として切削方式による出力法を開発した。(石井) 様々なデータ源による仮想世界の演出: 従来の、ポリゴンによる3D幾何モデルを使用しないで、仮想世界を創出するための方法論について、研究を行うのが、本テーマのポイントである。特に実映像をどう計算機に取り込むことができるかが、大きな課題である。仮想世界における映像生成時に実写映像を用い、映像的に質の高い仮想空間を構築した。特に大規模なウオ-クスルーを実現するために、広範囲にわたる画像データベースの取得やその管理、また、データベースから自由度の高い仮想空間を構築るための再構成手法を開発した。(廣瀬) カメラで撮影した画像から三次元空間中における光線の振舞いを解析し、光線情報の不足している視点位置を探索しながら順次撮影を行うことにより、効率的に三次元空間情報を取得する取得する手法を開発した。(原島) 高速画像回線を用いたネットワーク型仮想世界の創出: ネットワーク上に展開した、あるいは、ネットワークを利用した仮想世界についての研究である。環境問題に取組んだ研究の一つにインバースマニュファクチャリングがある。このインバースマニュファクチャリングに利用できる、グリーンブラウザを提案し、ストラテジーモデル(製品製造における目的がどのような要求項目に分解され、各項目がどのような関係をもっているかが示されている)の構築を支援するためのグリーンプラウザの実装を行った。(桐山) 機械の操作や組み立て等の三次元的な作業の遠隔指示を支援するシステムを開発した。特に超広視野の映像を提供できる遠隔地間コミュニケーションシステムを開発し、人間の周辺視野部の映像が作業やコミュニケーションの中でどのような役割を果しているかを解明した。(葛岡) 工業応用としての仮想現実実感技術では、CADやCAEシミュレーションなどの設計過程の作業に主眼あおかれている。仮想現実感技術を拡張現実感技術へと拡張すると、検査や組立て作業などの工業作業を支援することができる。卓上作業、巡回・移動を伴う作業の二種に適した拡張現実感支援システムを構築した。(佐藤)
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Research Products
(10 results)
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[Publications] 廣瀬、 渡辺、 谷川、 遠藤、 片山、 田村: "移動車輌搭載カメラを用いた電脳映像都市空間の構築(2)-実写映像を用いた広域仮想空間の生成-" 日本バーチャルリアリティ学会第2回大会論文集. 67-70 (1997)
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[Publications] K.Takenouchi, M.Kaneko and H.Harashima: "Acquisition of Object-based Ray Data for Integrated 3-D Visual Communication" PCS′97. 681-686 (1997)
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[Publications] 船橋、 安田、 横井、 鳥脇: "仮想空間における両手による物体操作に関する研究" 電子情報通信学会技術報告,MVE97-71. Vol.96,No.606. 21-28 (1997)
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[Publications] H.Takahashi and S.Kanai: "Networked collaborative work space for examining and modifying free-form surface models with haptic sensation" Rapid Product Development,Chapman & Hall. 556-565 (1997)
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[Publications] 梅田、 蔵川、 桐山、 馬場、 小林: "インバースマニュファクチャリングの提案" 1995年度精密工学秋季大会学術講演会講演論文集. 27-28 (1995)
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[Publications] 池井、 高橋、 福田: "空間オブジェクトの操作-挙動シミュレーションに関する研究" 日本バーチャルリアリティ学会第2回大会論文集. 268-271 (1997)
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[Publications] 石母田、 葛岡: "遠隔制御型カメラによるテレコミュニケーションの評価" コンピュータソフトウエア. Vol.14,No.3. 75-85 (1997)
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[Publications] Wai Ming Kong, H.Takahashi and M.Nakajima: "Generation of 3D Hair Model from Multiple Pictures" Multimedea Modeling ′97. 183-196 (1997)
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[Publications] 今井、 高橋、 石井、 牧野: "特徴点対応だけを利用した2視点間のセルフカメラキャリブレーションと物体の形状計測について" 電子情報通信学会技術報告,PRMU97-192. 49-55 (1997)
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[Publications] 黒田、 佐藤、 千原: "手話伝送システムS-TELの手話CGの視認性に関する研究" 日本手話学会論文誌. Vol.14.No.1. 1-12 (1997)