1996 Fiscal Year Annual Research Report
分極反転構造を用いた疑似位相整合方式波長変換デバイスの開発
Project/Area Number |
07246103
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
伊藤 良一 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (40133102)
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Keywords | 非線形光学 / 波長変換 / 光第2高調波発生 / 有機材料 / 分極反転 / 疑似位相整合 |
Research Abstract |
昨年度までは有機結晶を用いた波長変換素子の開発を進めてきたが,導波損失の改善が望めないことなどから実用レベルの導波路型素子の実現は当面困難と判断し,今年度はより低損失化が可能な電界配向高分子を用いた導波路素子の開発に着手した。 1.新しい分極反転ポーリング法の開発 2種類の高分子を組み合わせることで任意の形状の素子中に分極反転構造を作り込むことが可能な新しい分極反転電界配向の手法を提案した。東京農工大学の宮田研究室との共同研究により,側鎖にNLOクロモファーを導入した2種類のフェノキシ樹脂Bis-A-PhNO_2(Tg=130℃)とBrBis-A-PhNO_2(Tg=170℃)について検討をおこなった。これらの積層膜にコロナポーリングをおこなったところ,その透過第2高調波測定の結果から実際に分極反転電界配向が可能であることが確認できた。 2.分極反転配向高分子を用いた疑似位相整合波長変換素子の設計 上述の高分子の屈折率測定をおこない,その結果に基づいて横方向疑似位相整合方式波長変換素子の設計をおこなった。また,縦方向疑似位相整合型素子を実現するためには2種類の高分子の屈折率をそろえる必要があるので,側鎖へのNLOクロモファーの導入率を変えることで屈折率の制御をおこなおうと検討を進めている。 来年度はこれらの成果をもとに実際に分極反転配向高分子を用いて導波路型波長変換素子の開発に着手する予定である。また,有機単結晶については導波路素子ほど損失の影響が深刻でないと考えられるバルク素子をターゲットとして新たにトライしていきたいと考えている。
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[Publications] T.Kondo: "A Comparative Study on Nonlinear Optical Properties of Chiral and Racemic 2-(α-Methylbenzylamino)-5-Nitropyridine Crystals" Nonlinear Opt.15. 163-166 (1996)
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[Publications] N.Hashizume: "Fabrication of Periodic Waveguides Using Organic Crystals and Fluorinated Polyimides for Quasi-Phase-Matched Second-Harmonic Generation" Opt.Rev.(印刷中). (1996)