1995 Fiscal Year Annual Research Report
有機色素系LB膜を用いた高速波形マニピュレーション
Project/Area Number |
07246110
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
江馬 一弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (40194021)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅井 圭介 東京大学, 工学部, 助手 (60231859)
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Keywords | LB膜 / シアニン色素 / フェムト秒分光 / 3次の非線形感受率 / 波形マニュピュレーション |
Research Abstract |
(1)有機系LB膜の作製 現有のLB膜作製装置を用いて,膜作製時の下層水温度,圧縮圧,一定圧下の保持時間帯,膜の物性を左右するパラメーターを制御しながら,単分子膜の積層を行い,シアニン色素NK-2970の会合体からなるLB膜を作製した. (2) Head-to-Tail構造の高分子膜の作製と評価 ポリチオフェンをHead-to-Tail構造になるように化学的に合成を行い,スピンコート法によりその薄膜を作製した.NMRスペクトルにより,構造がランダムでなくきれいなHead-to-Tail構造になっていることが確認された. (3)線形分光による有機系LB膜および高分子膜の基礎物性の評価 エキシマレーザー励起の色素レーザーを用いて,上記試料について基礎的な物性を調べた.会合体が形成されたことによる吸収スペクトルの長波長シフトがそれぞれの試料について確認された. (4)フェムト秒パルスによる非線形性の評価(担当:江馬) フェムト秒再生増幅器+パラメトリック増幅器より得られる波長可変のフェムト秒パルスを用いて,上記試料の3次の非線形感受率の大きさと応答速度を評価した.縮退4光波混合法により測定したところ,NK-2970のLB膜については,非線形性は大きいものの,光退色が激しく波形マニピュレーション用の材料には適さないことが判明した.Head-to-Tail構造ポリチオフェンについては,3次の非線形感受率の大きさとして10^<-9>esuという大きな値が得られ,応答速度もピコ秒以下であった.今後はこれを用いて波形マニピュレーションのデモンストレーションを行っていく予定である.
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Research Products
(1 results)