1995 Fiscal Year Annual Research Report
色素分子の3次元的自己集積化によるX^<(3)>の向上
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07246238
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
松岡 賢 京都女子大学, 家政学部, 教授 (30081326)
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Keywords | 色素の自己集積化 / π-π相互作用 / 機能性色素材料 / 色素の非線形性 / 非線形光学材料 / 3次NLO材料 / 色素蒸着膜 |
Research Abstract |
色素材料を中心とした有機非線形光学材料(2次と3次)のMO法による分子設計と合成,それらの非線形性と化学構造の関係について基礎的研究を行った。そして、色素固体の光物性は集合体での機能であるため、色素集合体の高次構造によって物性が大きく異なることを見い出した。すなわち、色素単結晶のX線構造解析から集合体レベルでの分子のスタッキングを解析し、分子構造と光物性との相関性を確立することを試みた。そして、色素分子間でのπ-π相互作用によって分子が3次元的に自己集積化するキノン系色素を新規に見い出した。これらの色素は分子内CT型発色系をもつナフトキノンおよびベンゾキノン誘導体であり、これらの色素は薄膜上で吸収スペクトルが溶液中に比べ100nm以上も長波長シフトすること、3次の非線形感受率X^<(3)>が、薄膜上で通常の対応する色素に比べ2桁以上も大きくなることを見い出した。すなわち、色素分子が3次元的なスタッキング構造をとり、色素の分子間距離が3.3-3.4Åになるとπ-平面間で強いπ-π相互作用がおこり、結果的にX^<(3)>が大幅に向上するとの知見を得た。このように、単一色素分子間での3次元的なπ-π相互作用を利用して材料を構築すると、有機非線形光学材料に最も有効な全π電子系で分子から材料を構築することができ、目的とする大きなX^<(3)>の材料が得られるとの知見を得た。この種の方法論による研究成果は国内外を通じて知られていない。現代までの研究成果をフランスと日本の関連学会で発表し、原著論文(5報)として公表した。さらにこの方法論を展開するため、分子内CT型発色系をもつピラジン系蛍光色素をすでに合成しており、それらの蒸着膜について2次NLO材料としての評価を試みる予定である。また、合成した色素材料を希望に応じて広く提供しており、本領域メンバー(3グループ)との間で物性評価の共同研究を開始した。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] M. Matsuoka: "Molecular Design of Quinoid Dyes for 3rd Order NLO Materials" Nonlinear Optics. 10. 109-114 (1995)
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[Publications] Y. Inoue: "Visible Absorption Spectra of Aryl-p-Benzoquinones by Modified PPP MO Calculation" Dyes Pigments. 29. 345-354 (1995)
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[Publications] J. Y. Jaung: "Syntheses and Properties of New Styryl Dyes Derived from 2,3-Dicyano-5-methylpyrazines" Dyes Pigments. (in press). (1996)
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[Publications] J. H. Kim: "Syntheses and Solid State Absorption Spectra of Aminonaphthoquinones Dyes" Dyes Pigments. (in press). (1996)
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[Publications] 松岡 賢: "最近の機能性色素" 化学と教育. 43. 309-310 (1995)
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[Publications] K. Shirai: "Structures and Properties of Hematein Derivatives" Dyes Pigments. (in press). (1996)
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[Publications] 松岡 賢(単著): "色素の化学と応用" 大日本図書, 168 (1995)
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[Publications] M. Matsuoka(part): "Analytical Chemistry of Synthetic Colorants" Elsevier Applied Science, 21 (1995)