1995 Fiscal Year Annual Research Report
パルサー風と星風の相互作用とX線・ガンマ線放射の研究
Project/Area Number |
07247216
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Research Institution | Rikkyo University |
Principal Investigator |
柴崎 徳明 立教大学, 理学部, 助教授 (50206124)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
蓬茨 霊運 立教大学, 理学部, 教授 (70062601)
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Keywords | パルサー風 / Be星風 / 衝撃波加速 / シンクロトロン放射 / 逆コンプトン効果 |
Research Abstract |
最近、ROSET,ASCA,GROなどの衛星によりBe連星中のパルサーPSR1259-63からX線、ガンマ線が検出された。観測されたX線、ガンマ線のスペクトルはベキ型である。また、観測されたX線にはX線パルスがみられない。私たちは次のような描像でX線、ガンマ線の放射を研究している。パルサー風がBe星風と衝突したところで衝撃波が発生する。衝撃波のところで電子、陽電子が相対論的なエネルギーにまで加速される。これらの電子,陽電子からシンクロトロン放射や逆コンプトン効果によりX線、ガンマ線が放射される。本年度の研究から次のようなことが明らかになりつつある。 ・X線スペクトルのベキ指数から、加速メカニズムは衝撃波によるフェルミの一次加速と考えられる。 ・電子、陽電子のスペクトルは衝撃波背後での流れのタイムスケールと逆コンプトン効果による冷却のタイムスケールとのかねあいで決まる。ここで逆コンプトン効果で電子にけられる光子はBe星からのUVフォトンである。 ・X線の放射メカニズムはシンクロトロン、TeVガンマ線の放射メカニズムは逆コンプトン効果である。 現在、パルサー風やBe星風のパラメータを動かし、X線のスペクトル指数や光度に関し、観測されているような連星軌道の位置による変化がでてくるかどうか調べているところである。もし、この変化がでれば、次は詳細な計算に入っていこうと考えているところである。
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[Publications] N. Shibazaki & S. Hirano: "Application of an Internal Friction to an Anomalous Behavior of the Pulsar Rotation Observed in PSR 1620-26" Publ. Astron. Soc. Japan. 47. 445-449 (1995)
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[Publications] Y. Tanaka & N. Shibazaki: "X-Ray Novae" Ann. Rev, Astron. Astrophys.34(印刷中). (1996)
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[Publications] K. Asi et al. (R. Hoshi): "ASCA Observations of Soft X-Ray Transients in Quiescence: X1608-52 and Cen X-4" Publ. Astron. Soc. Japan. 48(印刷中). (1996)