1995 Fiscal Year Annual Research Report
空気シャワー・チェレンコフ光検出のための固体検出器の開発
Project/Area Number |
07247217
|
Research Institution | Kanagawa University |
Principal Investigator |
日比野 欣也 神奈川大学, 工学部, 講師 (80260991)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 賢二 神奈川大学, 工学部, 助手 (90260984)
柏木 利介 神奈川大学, 工学部, 講師 (40202006)
|
Keywords | ダイヤモンド / 放射線 / 検出器 / 宇宙線 |
Research Abstract |
本研究ではダイヤモンド素材を使った多目的放射線検出器の研究開発を行った.人工ダイヤモンドはシリコンと同じ結晶構造と半導体的な性質を持ち,尚且,5.5eVの高バンドギャップエネルギー,高キャリア移動度,低比誘電率等,シリコンより優れた性質を持ち合わせている. 現在,人工ダイヤモンドは超高圧合成法,CVD法,イオンビーム蒸着法などの製法により作られ,それぞれ違った性質を持っていることが分かっている.そこで我々は天然も含め種々のダイヤモンドを入手し,それぞれの放射線検出器を製作してはα線照射試験を行い,放射線に感度を持つ素材の調査を行った. 現在までに天然並びに超高圧合成法によって作成された検出器から信号を検出しており,そのエネルギー分解能はこれまで天然ダイヤモンド素材から得られている最高の値である82keVをはるかに上回り,25.4keV(FWHM)の値が得られ,放射比の高い3本のエネルギーを分離して検出することに世界で初めて成功した.この分解能はアンプ系のノイズに相当しており,今後アンプ系の改良によりシリコン半導体検出器の性能を上回る可能性もあり,ダイヤモンド素材が放射線検出器として非常に有望であることを示している. 今度,α線源以外の照射試験も行って,紫外線領域まで放射感度を調べるとともにダイヤモンド検出器の諸性能を細かく調べ,さらにアバランシェ効果の可能性についても調べていく予定である.
|