1995 Fiscal Year Annual Research Report
ショウジョウバエSxl蛋白質のRNA結合特異性と蛋白質間相互作用
Project/Area Number |
07250213
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 博 神戸大学, 理学部, 助教授 (00187048)
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Keywords | Sxl蛋白質 / RNA結合特異性 / 蛋白質間相互作用 |
Research Abstract |
Sxl蛋白質の特異的結合配列と結合領域の解析 Sxl蛋白質のRNA結合に対する下流のAG配列の影響を調べるために部位特異的な変異を導入した結果、実際にSxl蛋白質の結合強度は約半分に低下することが明らかになり、in vitro選択法の有効性が確認された。また、tra遺伝子のSxl結合配列を用いて、Sxl蛋白質のRNA結合能力を担う領域を解析した結果、1)特異的なRNA結合には2個のRNA結合ドメインが両方必要であること、2)RNA結合ドメインの周辺のアミノ末端、カルボキシル末端の領域は必要でないことが明らかになった。 Sxl蛋白質と他のスプライシング因子との相互作用 Sxl蛋白質の欠失変異体を作製することによって、相互作用に必要な領域を詳細にマッピングした結果、Sxl蛋白質間、またSxl蛋白質と基本スプライシング因子U2AF間の相互作用に関して、1)RNA結合ドメインの存在が必要かつ十分であること、2)これらの蛋白質間相互作用はRNA依存的であることが示唆された。 系統進化的比較による自己発現制御領域の解析 D. melanogasterとD. subobscuraのSxl遺伝子配列を比較解析することによって、1)雌において選択的にスキップされる第3エキソンの上流および下流のイントロン内部に進化的に見て保存度の高い配列が散在すること、2)これらの配列の内、いくつかにはながいウリジン連続配列が存在すること、3)終止コドンを含む第3エキソン配列の保存度はかなり低いこと、4)tra遺伝子のSxl結合配列との比較から初期にはシス配列と考えられていた第3エキソン直前のウリジンオクタマ-配列はD. subobscuraでは保存されていないこと、などが明らかになった。これらの結果は、Sakamotoら、Horabinらによって示唆されていたSxl遺伝子の自己発現制御におけるイントロン内のウリジン配列の重要性を支持するものであった。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Hoshijima, K.: "Transcriptional regulation of the Sex-lethal gene by helix-loop-helix proteins." Nucleic Acids Res.23. 3441-3448 (1995)
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[Publications] Tanaka, Y.: "Developmental expression pattern of the Caenorhabditis elegans homologue of the Drosophila suppressor of forked gene." DNA Res.2. 143-146 (1995)
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[Publications] Takeshima, Y.: "Modulation of in invitro splicing of the upstream intron by modifying an intra-exon sequence which is deleted from the dystrophin gene in dystrophin Kobe." J. Clin. Invest.95. 515-520 (1995)