1995 Fiscal Year Annual Research Report
ラン藻の硝酸同化系の発現制御および活性調節の分子機構の研究
Project/Area Number |
07251208
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小俣 達男 名古屋大学, 農学部, 助教授 (50175270)
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Keywords | ラン藻 / 硝酸同化 / 炭酸同化 / 遺伝子発現調節 / シアン酸 / シアナーゼ / 硝酸イオン輸送系 / 活性制御 |
Research Abstract |
1.ラン藻では、窒素同化の中間代謝物であるカルバミルリン酸が分解して生じるシアン酸が、硝酸同化系遺伝子から成るnirAオペロンの転写を阻害するとともに、炭酸同化酸素遺伝子RubiscoをコードするrbcLSオペロンを活性化する。本研究では、シアン酸の効果とその代謝について以下のことを明らかにした。 (1) nirAオペロンの転写活性化因子NtcAがシアン酸の有無に関わらずプロモーター領域に結合することから、シアン酸によるnirAオペロンの転写阻害は、NtcAのプロモーターへの結合の阻害によるものではないと結論した。 (2) rbcLS以外の炭酸同化系遺伝子群の中で、Rubiscoの局在場所であるカルボキシゾームの形成と機能発現に関与するccmKLMNOとicfAが、rbcLSと同様にシアン酸による転写活性化を受けることを示した。 (3) シアン酸を分解するシアナーゼの活性は、細胞をアンモニア培地から硝酸培地に移すと3時間で6倍に高まった。この活性上昇は転写阻害剤により阻害された。以上の結果から、シアナーゼ遺伝子の転写は窒素栄養条件に応じて制御されると結論した。 2.窒素同化を阻害してnirAオペロンの転写を誘導した場合、硝酸イオンが転写を促進することを明らかにした。さらに硝酸還元酵素変異株を用いた実験により、硝酸イオンが還元されてできる亜硝酸イオンに転写促進効果があることを明らかにした。 3.ラン藻の硝酸イオン/亜硝酸イオン輸送体(NRT)は培地へのアンモニアの添加によって阻害されるが、NRTのATP結合サブユニットNrtCのC末端ドメインを欠く変異株では、アンモニアの存在下でも細胞内に1〜2mMの硝酸イオンが蓄積した。この結果と以前の結果を合わせ、NrtCのC末端ドメインが、NRT活性の負の制御に必要であると結論した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Iwane Suzuki: "A novel nitrite reductase gene from the cyanobacterium Plectonema boryanum." J. Bacteriol.177. 6137-6143 (1995)
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[Publications] Iwane Suzuki: "Nitrogen regulation of the genes involved in nitrate and carbon assimilation in the cyanobacterium Synechococcus sp.PCC7942." Photosynthesis : from Light to Biosphere. 3. 485-488 (1995)
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[Publications] Tatsuo Omata: "Molecular studies on the regulation of the nitrate/nitrite transporter of Synechococcus sp.PCC7942." Photosynthesis : from Light to Biosphere. 5. 487-490 (1995)
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[Publications] Iwane Suzuki: "Regulation by cyanate of the genes involved in carbon and nitrogen assimilation in the cyanobacterium Synechococcus sp.strain PCC7942." J. Bacteriol.178 (in press). (1996)