1995 Fiscal Year Annual Research Report
二種類の運動系神経回路の異同に関する実験形態学的研究
Project/Area Number |
07252207
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
中村 泰尚 東京医科歯科大学, 医学部, 教授 (70025625)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大竹 一嘉 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (10168966)
佐藤 二美 東京医科歯科大学, 医学部, 助手 (60205961)
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Keywords | 視床外側腹側核 / 視床網様核 / 視床介在ニューロン / シナプス構築 / GABA / 三次元的復構 |
Research Abstract |
基底核系と小脳系の神経回路を巡ってきた情報はいずれも視床において、別々の核を経由して大脳皮質に中継される。昨年までの研究で、視床の大脳皮質投射ニューロンは両系統からの入力を一次、二次の樹状突起と細胞体で受けていること、抑制性の介在ニューロンのシナプス前樹状突起(PSD)が皮質投射ニューロンの細胞体をはじめ樹状突起とシナプスを作りつつ、外来性の入力終末とtriadと呼ばれるシナプス構築をなすことを明らかにした。このとき視床網様核(TRN)からの入力と思われる軸索終末が見つかったのでその本体を詳しく調べた。 ネコの運動野皮質に4%WGA-HRPを少量注入して視床外側腹側核(VL)ニューロンを逆行性に標識すると同時に、TRNのうちVLへの投射域である吻側部に、WGA-HRPを少量注入して順行性にTRN終末を標識した。また超薄切片上で金コロイド法によるGABAを対象にした免疫組織化学染色も試みた。 連続切片の三次元的復構を含めた電子顕微鏡によると、順行性に標識されたTRN終末は、長径が1-3μmで、小型から中型に分類できるものであった。これらの扁平シナプス小胞を含んでいて、対称型シナプスをVLの皮質投射ニューロンの細胞体、一次、二次、それ以下の樹状突起上に作っていた。上に記したtriadにはTRM終末は関わっていなかった。またTRN終末はGABA陽性であった。 このことからVLにはPSDと、TRN終末の二種類のGABA陽性(抑制性)終末が存在することになるが、それらの局在性が異なることから、まったく別の機能を果たしていることが示唆された。またTRN終末がVLの皮質投射ニューロンの広範な部位にシナプスしていることから、大脳皮質からTRNを経由する抑制効果が瞬時にニューロン全体に行き渡るように考えられる。
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[Publications] 中村泰尚、大竹一嘉、佐藤二美、和泉正英: "大脳基底核の下行性投射" 神経進歩. 39. 212-222 (1995)
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[Publications] Nakamura,Y.,Okuno,S.,Sato,F.and Fujisawa,H.: "An immunohistochemical study of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein Kinase IV in the rat central nervous system:light and electron microscopic observation." Neuroscience. 68. 181-194 (1995)
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[Publications] Nakamura,Y.,Okuno,S.,Kitani,T.,Otake,K.,Sato,F.and Fujisawa,H.: "Distribution of Ca^<2+>/calmodulin-dependent protein Kinase kinaseα in the rat central nervous system: an immunohistochemical study." Neurosci. Lett.204. 61-64 (1996)