1995 Fiscal Year Annual Research Report
NMRによるコフィリン・デストリンの立体構造解析と機能相関
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07253232
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Organization for Medical Research |
Principal Investigator |
畠中 秀樹 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (00260331)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 賢治 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 生理活性物質研究部門, 研究員 (00250217)
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Keywords | コフィリン / デストリン / アクチン結合タンパク質 / 多次元NMR / 構造機能相関 / 構造生物学 / ゲルゾリン |
Research Abstract |
コフィリン/デストリンは、アクチン調節タンパク質の1ファミリーであるが、種々のストレス条件下でアクチンを伴って核内に移行することから、ストレス状態を特徴づける分子群の一つと考えることができる。我々は、本研究費を用いて多次元NMR構造解析システムを構築するとともに、デストリンの立体構造を三重共鳴三次元NMR法を用いてRMSD0.77Åで決定した。 1.驚くべきことに構造はゲルゾリンファミリーの繰り返しドメインの立体構造に類似していた。これにより2つのファミリーを統合したスーパーファミリーの存在が示された。ゲルゾリンの2つのCa^<2+>結合部位の酸性残基はコフィリン/デストリンではLysに置き換わっており、これが一次配列の非類似性とアクチン結合のCa^<2+>非依存性を同時に説明した。 2.既知の架橋実験やアミノ酸残基置換の結果などから、コフィリン/デストリンはゲルゾリン同様、自らの結合ヘリックスをアクチンのサブドメイン1と3の間の溝に挿入して結合すると考えられる。 3.Ser3のリン酸化やPIP_2等のphosphoinositideによるアクチンとの結合の阻害は結合ヘリックスとアクチンとの間の相互作用に対する干渉によることがわかった。 4.アルカリ性でのアクチン繊維の切断についてHisの関与の可能性を検討した。 5.Bipartite型と考えられるデストリンの核移行シグナルは、アクチン結合ヘリックスとは分子の反対側でヘアピン状に折れ畳まっていた。リン酸化部位はシグナルの折れ畳みを変え得る位置関係にある。また、ストレスでの細胞内pH低下で生じる構造が関与する可能性も指摘した。
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Research Products
(1 results)