1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07254204
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
岸本 健雄 東京工業大学, 生命理工学部, 教授 (00124222)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
立花 和則 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (60212031)
大隅 圭太 東京工業大学, 生命理工学部, 助手 (20221822)
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Keywords | 細胞周期 / 減数分裂 / 受精 / S期の開始と抑制 / MAPキナーゼ / PCNA / アフリカツメガエル卵 / ヒトデ卵 |
Research Abstract |
通常の体細胞型細胞周期においてはM期とS期の交互交替が保障されているのに対し、減数分裂ではM期が連続して起こり、その後の受精でS期が創設される。こうした卵細胞に特異的なS期開始の調節機構を手がかりとして、M期とS期の共役機構を解明することが本研究の目的であり、本年度は以下の成果を得た。 1.減数分裂周期:アフリカツメガエル卵抽出物由来の、無細胞系で減数分裂周期を再現できるmeiotic cycling extractsを開発して解析した。その結果、この無細胞系では、卵抽出物を単に希釈するだけで減数分裂期間にS期をもたらすことができると判明した。減数分裂期間におけるS期の抑制にはMos-MAPキナーゼ・カスケードの関与が示唆されているので、N末を欠いたSTE11(MAPKKK)蛋白質によってMAPキナーゼを構成的に活性化させたが、無細胞系を希釈したとき、あるいは無細胞系にMosの中和抗体を加えたときにもたらされるS期を抑制することはできなかった。現在、構成的に活性型であるMAPK-γ-Sを作製して、Mosの下流はMAPキナーゼだけかどうかを検討中である。 2.受精によるS期開始:ヒトデ卵のPCNAのcDNAをクロン化しその抗体を得て、受精によるS期開始機構を解析した。その結果、PCNAは成熟未受精卵においてもすでに核内に局在しているが可溶性であり、受精するとDNAに結合するようになると判明した。このPCNAの核内局在の調節は受精によるS期開始の鍵と考えられ、現在その分子機構を検討中である。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] Ookata, K., et al.: "Cyclin B interaction with microtubule-associated...." J. Cell Biol.128. 849-862 (1995)
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[Publications] Ohsumi, K., et al.: "Dependence of removal of sperm-specific proteins...." Develop. Growth Differ.37. 329-336 (1995)
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[Publications] Hisanaga, S., et al.: "Porcine brain neurofilament-H tail domain dinase: .." Cell Motil. Cytoskel.31. 283-297 (1995)
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[Publications] Tsurumi, C., et al.: "Degradation of c-Fos by the 26S proteasome is....." Mol. Cell. Biol.15. 5682-5687 (1995)
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[Publications] Okumura, E., et al.: "Initial triggering of M-phase in starfish oocytes: ..." J. Cell Biol.132. 125-135 (1996)
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[Publications] Kishimoto, T.: "Starfish maturation-promoting factor." Trends Biochem. Sci.21. 35-37 (1996)
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[Publications] 岸本健雄・山下茂: "細胞周期の分子生物学" (監訳)メディカル・サイエンス・インターナショナル, 248 (1995)
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[Publications] 岸本健雄(分担): "バイオサイエンス用語ライブラリー「細胞周期」" 羊土社, 166 (1995)