1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07263207
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小野 哲也 東北大学, 医学部, 教授 (00107509)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池畑 広伸 東北大学, 医学部, 助手 (90250737)
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Keywords | 環境変異原 / 放射線 / トランスジェニックマウス / 遺伝子 / 突然変異 / 少量長期被曝 / 大量1回被曝 |
Research Abstract |
ヒトが環境中の有害物質に曝されるときは少量ずつを長期にわたる場合が多いが、この時のリスクが大量を1回だけ曝されたときに比べどうなるかはほとんど分かっていない。本研究では遺伝子に働いて突然変異を誘発することが証明されている放射線を用い、4Gy(大量)1回照射と0.15Gy(少量)78回分割照射時に誘発される突然変異がどれ程違うかについて検討した。突然変異はヒトのリスク評価に最も有用と思われるマウスを用いた。ただしこのマウスは突然変異の検出が容易に行えるように開発された大腸菌lacZ遺伝子導入マウス(Muta)を用いた。非照射での脾臓における突然変異頻度は(7.64±2.72)×10^<-5>であるのに対し、4GyのX線を照射後16週待ったものでは(12.11±4.31)×10^<-5>であり照射による増加は約1.6倍であった。他方1回0.15Gyを週3回づづ6カ月間(26週間)照射し続けた後16週間待ったものでは(14.42±6.34)×10^<-5>であった。この時に同じエイジで非照射のものでは(8.08±1.48)×10^<-5>であったので、X線による誘発は1.8倍となる。 放射線による突然変異誘発は多くの場合線量に比例することが分かっているので、今回のシステムにもそれが成り立つと仮定すると、上記のデータは大量1回照射時の誘発が1.12×10^<-5>/Gyであり、少量長期照射の場合は0.54×10^<-5>/Gyであることを示し、長期照射のリスクは1回照射時の約50%に減少することを示している。 今回の実験から少量を長期に暴露された時は大量を一時に暴露された時よりリスクが低下することが分かったが、実験データには誤差が大きいことから定量的な解析のためには今後さらに高い線量の放射線を使って再調査する必要がある。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Tetsuya Ono: "Spontaneous mutant frequency of lacZ gene in spleen of transgenic mouse increases with age." Mutation Research. 338. 183-188 (1995)
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[Publications] 小野哲也: "現代病理学体系8 成長と加齢 エイジングの分子機構" 中山書店, 253 (1995)
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[Publications] 小野哲也: "図説分子病態学 老化の分子生物学" 中外医学社, 553 (1995)