1995 Fiscal Year Annual Research Report
地球温暖化ガス、メタンの発生源における生物的酸化除去技術の創生
Project/Area Number |
07263212
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
犬伏 和之 千葉大学, 園芸学部, 助教授 (00168428)
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Keywords | 地球温暖化 / メタン / 水田 / 自然湿地 / メタン酸化菌 |
Research Abstract |
炭酸ガスに次ぐ強力な温室効果ガスであるメタンの大気中濃度が近年急速に上昇しており、またその発生源として水田などが大きな割合を占めているため、国際的に注目されている。メタンは大気中へ放出されると比較的安定な化合物であるが、水田や自然湿地の土壌中にはメタン酸化能を有する微生物の存在が確認された。しかしこの微生物の生態や活性の発現、維持機構については未解明の部分が多い。そこでこの微生物の水稲根圏での活動を確認し、この菌を利用してメタンをその放出経路となる水稲根圏や水稲体内で酸化し生物的に除去する技術を創生することを目標として、メタン酸化細菌の持つ酸化酵素の遺伝子を手がかりに、メタン酸化菌の生態を解明し、その活性強化をねらうための知見を集積することを試みた。 千葉県内の代表的水田土壌3種(グライ土・砂質土・泥炭土)を供試しポット実験を行い以下の結果を得た。 1)メタン酸化菌の生息部位、活性変動、その支配要因等について検討するため、水田土壌におけるメタン酸化能を、メタン:空気=1:1で気相置換した室内培養系でメタン減少量から経時的に測定した。その結果、水田土壌はいずれの採取時期においてもメタン酸化能を示した。 2)水稲体経由の大気中へのメタン放出量をチャンバー法により調査するとともに、水稲や湿性植物体(キカシグサRotala、ヒンジガヤツリLipocarpha、チョウジタデLudwigia)を根、茎基部、根+土壌に分け、各部分の酸化能も測定した。水稲(特に茎基部)および湿性植物もメタン酸化能を示した。またメタン酸化能と呼吸活性(αナフチルアミン活性)との間には正の相関関係が認められた。 3)メタン酸化菌のもつメタン酸化酵素をコードする遺伝子mmoXをた-ゲットにプライマーを作成した。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Nishino,S: "Methane oxidation and methanotrophs in flooded and unflooded paddy soil" Proc.Int.Symp.on Soil-Source and Sinks of Green house gases. 28 (1995)
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[Publications] Watanabe,I: "Evaluation of alternative substrates for determining methaneoxidation activities and methanotrophic populations in soil" Biology and Fertility of Soils. 20. 101-106 (1995)
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[Publications] 犬伏 和之: "水田土壌におけるメタン酸化、生成の活性と菌数およびフラックスの相互関係" 第11回日本微生物生態学会講演要旨集. 67 (1995)
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[Publications] 犬伏 和之: "水田土壌におけるメタンフラックスの影響因子解析" 日本土壌肥料学会講演要旨集. 42(発表予定)(印刷中). (1996)