1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07263257
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
矢木 修身 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 室長 (40132865)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 邦彦 国立水俣病研究センター, 基礎研究部, 室長
岩崎 一弘 国立環境研究所, 地域環境研究グループ, 主任研究員 (30193717)
内山 裕夫 国立環境研究所, 水土壌圏環境部, 主任研究員 (00185042)
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Keywords | 有機水銀 / 塩化水銀 / バイオレメディエ-テョン / 土壌汚染 / 生分解 / 分子育種 |
Research Abstract |
大腸菌NR-1プラスミドにコードされている塩化第二水銀分解酵素遺伝子を広宿主域ベクターpSUP104に組み込み、このプラスミドを電気パルス法を用いてPseudomonas putidaに導入し組換え体P.putida PpY101/pSR134を作成した。この組換え体の水中および土壌中における塩化第二水銀の分解除去能について検討を加えた。 155ml容バイアル瓶に10mlのL培地を添加し、これに塩化第二水銀、組換え体P.putidaを接種し、一定時間培養後、上澄み液の水銀を測定し、除去率を算出した。その結果、温度が高くなるにつれ分解除去速度の上昇が認められた。また、100ppmの高濃度の場合でも24時間で95%以上が除去された。さらに接種量の増加に伴い除去速度が増大することが判明した。次いでバイオリアクターによる分解除去特性を調べた。500mlの3角フラスコに、1mMのチオグリコール酸ナトリウムを含む200mlの50mM、pH7.0のリン酸緩衝液を添加し、これに塩化第二水銀40ppm、菌体OD=0.3となるように添加して反応を行った。反応4時間で50%以上が、24時間でほぼ完全に水中から除去された。除去された水銀は定量的にトラップから回収されたことから、金属水銀に還元されていることが確認された。 次いで土壌中における分解を調べた。500mlの3角フラスコに20gの各種土壌をそれぞれ添加し、これに200mlのリン酸緩衝液、チオグリコール酸ナトリウム、塩化第二水銀、菌体を添加し、水系と同様の条件下で反応を行い、上澄み中の塩化第二水銀濃度を調べた。水田土壌の場合、4時間で90%以上が除去され、砂質、黒ボク土壌では30%が除去された。菌が無添加の場合は除去が認められないことから、微生物により土壌中の塩化第二水銀が分解除去されることが明かとなった。以上の結果から、本研究で開発した微生物は、塩化第二水銀汚染土壌の浄化に大変有用であるものと考えられた。
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Research Products
(1 results)
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[Publications] Kurabayashi T., K. Iwasaki, H. Tanaka and O. Yagi: "Characteristics of Escherichia coli HB101 and Pseudomonas putida PpY101 harboringr recombinant plasmid with tandem insertion of mercury resistance operon" Biocatalysis and Biotransformation,. 13. (1996)