1995 Fiscal Year Annual Research Report
ヘパリン親和性成長因子ファミリー(プレイオトロフィン、ミッドカイン)と脳損傷
Project/Area Number |
07264226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
和中 明生 大阪大学, 医学部, 助教授 (90210989)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 勉 大阪大学, 医学部・寄付講座, 客員助教授 (10252686)
金銅 英二 大阪大学, 医学部, 助手 (50273636)
古山 達雄 大阪大学, 医学部, 助手 (20238702)
島田 昌一 大阪大学, 医学部, 助教授 (20216063)
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Keywords | 神経栄養因子 / PTN / MKファミリー / アストロサイト / 虚血-再酸素化 / ディファレンシャルディスプレイ法 / RNA結合蛋白 / 遺伝子クローニング |
Research Abstract |
我々はプレイトロフィン(PTN)/ミッドカイン(MK)の傷害神経系における神経栄養効果を解析する過程で、これら因子の分泌機構の解析が重要と考え、モデル系として培養アストロサイトを用い、インビトロで虚血再酸素化の負荷をかける系を開発した。この系においてまず虚血再酸素化に伴い発現誘導される遺伝子群を把握する試みを行った。具体的には虚血アストロサイト(I)と再酸素化アストロサイト(R)の双方からmRNAを抽出し、これらをある一定のランダムな配列を持つオリゴヌクレオチドプライマーで増幅、並列でゲルに展開しR群で特異的に増幅されたバンドを回収しこの断片の塩素配列を決定するものである。我々はこの方法でこれまでRA301,RA410と名付けた2つの新規遺伝子を同定した。このうちRA301は両端にSRドメイン(セリン、アルギニン残基に富む)をもち、これらの間にRNA結合ドメインを持つ新規のRNA結合蛋白であることが判明した。これらのドメイン構造から考えてRA301についてはその全長cDNAを取得し構造を解析を行った結果、RA301は特にRNAのスプライシングを調節する機能を有する事が考えられた。次に我々はRA301の機能的意識を明らかにする目的で、発現解析を行った所以下の事実が判明した、1)RA301は再酵素化特異的に極早期より発現上昇すること。2)この発現上昇は蛋白合成阻害剤である Cyclheximideではブロックされず、NADPH oxidaseのインヒビターであるDPIでブロックされた。以上の事実はRA301がユニークな発現調節を受けておりこのメカニズム解明が今後の興味深い課題の一つと考えられた。またIL-6を栄養因子のモデル系としてRA301のアンチセンス抑制の効果を検定したところ、IL-6の分泌が有意に抑制された。このことからRA301は栄養因子分泌に対して重要な役割を担っていることが示唆された。
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