1995 Fiscal Year Annual Research Report
造血細胞の分化・増殖における細胞周期制御因子の発現様式の解析
Project/Area Number |
07269203
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
本倉 徹 東京大学, 医学部附属病院(分), 助手 (00192823)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中畑 龍俊 東京大学, 医科学研究所, 教授 (20110744)
内丸 薫 東京大学, 医学部附属病院(分), 助手 (60251203)
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Keywords | 細胞周期 / サイクリン / 分化 / 造血 |
Research Abstract |
D型サイクリンの相対的発現様式を少量の検体から解析するために,competitive RT-PCR法を考案した.この方法は,ノザン解析と比較しても十分信頼の得られるものであった.このRT-PCRで正常末梢血(全血)を解析すると,サイクリンD2およびD3が同等もしくはD3優位に検出された.血球を分離すると,リンパ球にはサイクリンD2優位な発現が,顆粒球にはD3優位な発現が見られた.驚くことにD型サイクリンは,血小板にもその発現が検出され,細胞周期進行とは異なる何らかの役割を果たしている可能性が示された.また,血液幹細胞から直接分化するとされる肥満細胞では,D型サイクリン全てがほぼ同等に発現していた.一方,正常骨髄ではサイクリンD1の発現が著しく減弱しており,D型サイクリンが正常ヒト造血細胞の各分化段階で異なる発現様式を示すことが明らかとなった.サイクリンD1遺伝子の発現とメチル化との関連については,有意な所見が得られなかった.また,colony assayでの解析にはnestedPCRが必要となり,上記RT-PCRの改良を行っている.一方,巨核球系細胞の分化モデルの検討では,MEG01s細胞が他の巨核球系細胞株(Meg-J,CMK,MOLM-1,HEL)よりTPAによって効率良く細胞増殖を停止して分化した.MEG01s細胞では,サイクリンEを発現して増殖を停止する前にp21/CIP1mRNAおよび蛋白がTPAによって誘導されることを見い出した.また,p21の誘導は他の細胞でも観察されたが,増殖抑制の強いMEG01sにおいて最も強く,細胞周期非依存性であった.また,増殖抑制に平行してTPAに用量依存性であった.こうしたMEG01s細胞の細胞周期制御(サイクリンE,p21の発現)は,immunocytochemistryで解析可能であったので,現在正常細胞での解析を行っている.
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Hikaru Kobayashi: "Overexpression of the PRAD1 oncogene in a patient with pralymphocytic leukemia with t(11:14)(q13:q32)" Cancer Genet.Cytogenet.84. 69-72 (1995)
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[Publications] Toru Motokura: "Neoplastic transformation of normal rat embryo fibroblasts.by a mutated p53 and an activated rasoncogene induces parathyroid hormone-related paptidegene expression and causes hypercalcemia in nude mice" J.Biol.Chem.270. 30857-30861 (1995)
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[Publications] Hikaru Kobayashi: "Overexpression of the PRAD1 oncogene in a patient with multiple myeloma and t(11:14)(q13:q32)" Acta Haematol.94. 199-203 (1995)
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[Publications] Kaoru Uchimaru: "Oncogenic collaboration of the cyclin D1(PRAD1,bcl-1)gene with a mutated p53 and an activated ras oncogene in neoplastic transformation" Jpn.J.Cancer Res.(in press). (1996)