1995 Fiscal Year Annual Research Report
血液細胞の増殖・分化における転写因子E2Fの役割の解析および臨床応用
Project/Area Number |
07269220
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
古川 雄祐 自治医科大学, 医学部, 講師 (00199431)
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Keywords | インターフェロン / 転写因子 / E2F / E2F-1 / RB / cdc2 / プロモーター / 細胞周期 |
Research Abstract |
Interferon-α (IFN)感受性のB細胞性白血病細胞株Daudiを用い、IFNによる血液細胞の増殖抑制における転写因子E2Fの役割につき検討した。[結果](1)INF-α 100IU/ml存在下でDaudi細胞株を培養すると、細胞増殖は約24時間後に対照の約20%に抑制された。(2)E2Fのmajor subunitであるE2F-1のmRNA発現は、IFN処理後約8時間より低下した。一方、もう一つのsubunitであるDP-1の発現はほとんど影響を受けなかった。(3)E2F-1のdenovo蛋白合成は、約12時間後より有意に低下した。その結果、E2FのDNA結合活性も減少した。(4)IFN処理24時間後でも、RB遺伝子産物と結合したE2Fはほぼ処理前と変わらずに残存しており、これはIFNによるRBの脱リン酸化に伴うE2F結合の増加によるものと考えられた。脱リン酸化型RBと結合したE2Fは、本来の機能とは逆に転写因子として働くことが知られており、IFN処理後24時間でみられるE2Fは、細胞増殖に関してはnegativeに機能していると推定された。(5)E2F結合によりその活性が調節されるcdc2遺伝子のプロモーターをreporterとして用い、IFNにより実際にin vivoでE2F活性が抑制されるかどうかを調べた。Daudi細胞にelectroporationにてcdc2プロモーターを導入後、IFNを加えて24時間培養し、プロモーター活性の変動をCATアッセイにより測定すると、IFNにより有意に抑制されることがわかった。(6)CMVプロモーターを用いてDaudi細胞にE2F-1を強発現させると、IFNによる増殖抑制効果が減弱した。[結語]以上の結果より、IFNによる血液細胞の増殖抑制にはE2F-1mRNAの早期からの発現抑制によるE2F活性の低下が重要な役割を果たしていることがわかった。この知見は、IFNのより有効な臨床応用、耐性の克服、副作用の防止などに役立つ可能性がある。
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[Publications] Terui、 Y.、 Furuya、 Y. et al.: "Expression of Differentiation-related Phenotypes and Apoptosis are Independently Regulated during Myeloid Cell Differentiation." J. Biochem.117. 77-84 (1995)
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[Publications] Furuya、 Y. et al.: "Preferential Production of Interleukin-1β over Interleukin-1 Receptor Antagonist Contributes to Proliferation and Suppression of Apoptosis in Leukemic Cells." Jpn. J. Cancer Res.86. 208-216 (1995)
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[Publications] Furuya、 Y. et al.: "Over-expression and Amplification of the CDC2 Gene in Leukaemia Cells." Br. J. Haematol.90. 94-99 (1995)
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[Publications] Terui、 Y.、 Furuya、 Y. et al.: "Apoptosis during HL-60 Cell Differentiation Is Closely Related to a G0/G1 Cell Cycle Arrest." J. Cell. Physiol.164. 74-84 (1995)
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[Publications] Terui、 Y.、 Furuya、 Y. et al.: "Up-Regulation of VLA-5 Expression during Monocytic Differentiation and its Role in Negative Control of the Survival of Peripheral Blood Monocytes." J. Imunol.156 3月号予定. (1996)
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[Publications] Takahashi、 M. et al.: "Human Monocyte-Endotherial Cell Interaction Induces Synthesis of Granulocyte-Macrophage Colony Stimulating Factor." Circulation. (印刷中). (1996)
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[Publications] 古川雄祐: "癌細胞の分化誘導とアポトーシス" 穂積本男・斉藤政樹・佐藤光信編, (1995)