1995 Fiscal Year Annual Research Report
性ホルモン依存性癌増殖における不飽和脂肪酸の役割とその分子機構
Project/Area Number |
07273235
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
笠山 宗正 大阪大学, 医学部, 助手 (10240839)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
宮下 義博 大阪大学, 医学部, 助手 (50273652)
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Keywords | シオノギ癌 / FGF / アンドロゲン / 不飽和脂肪酸 / トランスフォーム / βガラクトシターゼ / FGFレセプター |
Research Abstract |
アンドロゲン依存性癌であるシオノギ癌由来樹立細胞株SC-3は、アンドロゲンの作用によりオートクリーン増殖因子であるFGF-8を分泌する。FGF-8をNIH3T3細胞に強制発現させた結果、細胞増殖の接着阻止の消失・軟寒天上コロニー形成・ヌードマウスの皮下腫瘤形成を示したことから、FGF-8がトランスフォーム活性を有することを明らかにした。また、FGFレセプター(FGFR)欠失細胞であるL6細胞にFGFR-1とFGF-8を同時に強制発現させた結果、各々単独の発現では認められなかった分化抑制が観察された。すなわち、FGFR-1はFGF-8の受容体であることを証明した。 次に、FGFR-1の活性化機構を明らかにするため、FGFR-1のC端にβガラクトシダーゼを結合させオリゴマー形成能を獲得させたFGFR-β-gal発現ベクターをL-6細胞に移入した。その結果、リガンド非存在下で分化抑制を認めた。さらにFGFR-IとPLO-_γのチロシンリン酸化・FGFR-1とPLC_γの結合を確認した。したがって、FGFR-1のオリゴマー形成はリガンド非存在下においても受容体の活性化をひきおこすことを証明した。 一方、無血清培地下におけるSC-3のFGF依存性増殖には、不飽和脂肪酸が必須の因子であることを明らかにした。しかしながら、不飽和脂肪酸は、SC-3のFGFRの発現やFGFR-1のリン酸に対して明らかな影響を示さなかった。すなわち、不飽和脂肪酸の作用点はFGFR以降のステップにあることが示された。
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[Publications] Kouhara,H. et al.: "Ligand-independent activation of tyrosine in fibroblast growth factor receptor 1 by fusion with β-galactosidase." Oncogene. 10. 2315-2322 (1995)
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[Publications] Koga,M. et al.: "Molecular mechanism of androgen-dependent growth in transformed cells.Pathway from basic science to clinical application." J.Steroid Biochem.Molec.Biol.54. 1-6 (1995)
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[Publications] Hashimoto,K. et al.: "Identification of alternatively spliced messenger ribonucleic acid encoding truncated growth hormone-releasing hormone receptor in human pituitary adenomas." J.Clin. Endocrinol. Metab.80. 2933-2939 (1995)