1995 Fiscal Year Annual Research Report
胃粘膜防御機序に関する研究-胃上皮細胞増殖因子cDNAクローニング-
Project/Area Number |
07273243
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
坂本 長逸 神戸大学, 医学部・附属病院, 講師 (30196092)
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Keywords | 増殖因子 / 胃粘膜上皮細胞 / EGF / 分子生物学 |
Research Abstract |
1.胃上皮細胞増殖因子cDNAのクローニング RT-PCR法により得た新たなcDNAフラグメントをプローブとして種々のcDNAライブラリーをスクリーニングし、人大脳cDNAライブラリーより全長約1900baseから成るcDNAのクローニングに成功した。得られたcDNAは2種類のスプライスバリアントから成り、アミノ酸配列はともにN端側よりシグナルペプチド、2ヶ所のfollistatin様構造、EGF様構造、膜貫通ドメイン、細胞質ドメインが予想された。私共は、368個と418個のアミノ酸から成ると予想されるこれら蛋白質を仮にTRa,TRbと命名した。 2. GST-TR, GST-TREGFの作成とモノクローナル抗体、ポリクローナル抗体の作製 GSTとの融合蛋白質GST-TR, GST-TREGFドメインを作製し精製後、家兎に免疫し、ポリクローナル抗体を作製した。又、マウスに免疫ののち、EGFドメインに対するモノクローナル抗体を作製した。 3. TRa, TRb, cDNAのCOS7細胞への一過性導入及びNIH3T3細胞への安定的導入 TRの精製及び培養液上清の生物活性の測定のためTRa, TRb, cDNAをSRα発現ベクターに構築し、COS7細胞、NIH3T3細胞にトランスフェクトした。TRa, TRb, cDNAをプローブとしてノーザン分析すると、両cDNAはCOS7, NIH3T3細胞にそれぞれ導入され、mRNAを高発現することが示された。細胞を可溶化し、モノクローナル抗体で免沈後、ポリクローナル抗体でウェスタンブロットすると、TRaは65kDa, TRbは70kDaの蛋白として観察された。そこで現在、COS7培養液上清及びクローン化したNIH-TR細胞培養液上清のEGF受容体リン酸化能、erbB2リン酸化能を検討中である。
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Research Products
(1 results)