1995 Fiscal Year Annual Research Report
がん組織での癌細胞と免疫細胞の糖代謝動態からの識別の研究
Project/Area Number |
07274205
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山田 進 東北大学, 加齢医学研究所, 助手 (70182532)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪田 和雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (40161674)
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Keywords | がん組織 / 癌細胞 / 免疫細胞 / 糖代謝 / FDG / オートラジオグラフィー / 体内分布 |
Research Abstract |
1.実験腫瘍FM3AとMH134を移植したマウスに糖代謝トレーサー^<18>F-FDG(フルオロデオキシグルコース)と^3H-DG(デオキシグルコース)を同時投与した二重標識マクロARGで、腫瘍組織への糖の取り込みを形態学的に調べた。FM3AとMH134の腫瘍組織への糖トレーサーの分布は全体的に不均一で、MH134の方がFM3Aより全体的に高かった。^<18>F-FDGと^3H-DGは全く相似の分布パターンを示した。両腫瘍組織の中で、最も著名に集積した部位はマクロファージ層、濃いめのスポット像は単発的な小さな壊死部位、比較的低く均一な部位は腫瘍細胞層、集積のない所が大きな壊死部位であった。 2.腫瘍組織のどの部位(マクロファージ層、小壊死層、若い肉芽層、生きた腫瘍細胞層)に糖がどの程度に取り込まれるかを、経時的に^3H-DGミクロARGでのグレイン数計測で調べた。MH134とFM3Aの腫瘍組織各部位での糖トレーサー投与1分後に対するグレイン数の時間的経過は、マクロファージ層、肉芽組織、小壊死層の非腫瘍細胞群は、投与5分後で血液でのクリアランス比より高い値であったが、腫瘍細胞層は低い値を示した。15分後でも、マクロファージ層と小壊死層では血液のクリアランス比より高い値を示したが、腫瘍細胞では低かった。これらのことは、投与5分及び15分後の投与1分後に対する組織/血液値より、腫瘍組織と非腫瘍組織の区別が可能であることを示唆する。腫瘍組織では、悪性度のより高いMH134はFM3Aに比較して1.8-3.0倍高い^<18>F-FDGの取り込みを示した。 3.本研究の実験動物での糖代謝動態の早い時期の解析により、腫瘍組織の腫瘍細胞と非腫瘍細胞の区別が可能、及び、より悪性度の高い腫瘍がより多くの糖を取り込むという結果は、人腫瘍のFDG-PET画像の解釈に有用である。
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[Publications] Roko Kubota: "Microautoradiographic study for the differentiation of intratumoral macrophages,granulation tissues and cancer cells by the dynamics of fluorine-18-fluorodeoxyglucose uptake." Journal of Nuclear Medicine. 35. 104-112 (1994)
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[Publications] Susumu Yamada: "High accumulation of fluorine-18-fluorodeoxyglucose in turpentine-induced inflammatory tissue." Journal of Nuclear Medicine. 36. 1301-1306 (1995)
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[Publications] Roko Kubota: "Active and passive mechanism of [fluorine-18]fluorodeoxyglucose uptake by proliferating and prenecrotic cancer cells in vivo:a microautoradiographic study." Journal of Nuclear Medicine. 35. 1067-1075 (1994)
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[Publications] Kazuo Kubota: "Effects of radiotherapy on the cellular uptake of carbon-14 labeled L-metionine in tumor tissue." Nuclear Medicine of Biology. 22. 193-198 (1995)