1995 Fiscal Year Annual Research Report
がん化に伴う肝P450分子種の変動とその特徴;治療への応用を目指して
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07274209
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
山添 康 東北大学, 薬学部, 教授 (00112699)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 真也 東北大学, 薬学部, 教務職員 (40196829)
出川 雅邦 東北大学, 薬学部, 助手 (50134002)
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Keywords | P450 / dexamethazone / cyclophosphamide / tumor |
Research Abstract |
本報告では、適当な誘導物質でP450分子の誘導(あるいは減少)が認められるモデル細胞株を検索する目的で、各臓器由来のヒト腫瘍細胞株の細胞内P450レベルを検索した。細胞内P450レベルは、抗CYP1A,CYP2CあるいはCYP3A抗血清を用いたflow cytometryによって解析した。この際、細胞は必要に応じてフェノバルビタール(PB)、あるいはデキサメタゾン(DEX)による前処理を行った。 検索した約10種類の細胞株に於いて、CYP1A分子種の発現は認められなかった。一方、白血病細胞、胃癌細胞、肝癌細胞、膀胱癌細胞の一部などでCYP2CおよびCYP3A分子種の恒常的な発現が認められた。細胞1個あたりのP450発現レベルは、酵母発現系での定量的解析との比較より最大6.5×10^4P450分子程度と評価された。PBによるCYP2CおよびCYP3Aのin vitro発現誘導はいずれの細胞にも認められなかったが、T24膀胱癌細胞において、DEXによるCYP3Aレベルの約3倍の増加が認められた。次いで、CYP3Aでの代謝活性化が示唆されている抗癌剤シクロフォスファミドのT24細胞に対する増殖抑制効果を検討したところ、そのIC_<50>はDEXの存在下で未処理の場合の約1/2に減少した。 今後、他のパネルの癌細胞の検索、より有効な誘導剤、誘導条件の検索を行うとともに、リポソームを用いた細胞内抗癌剤送達法とP450誘導剤との併用による抗癌剤の効果増強を検討したい。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Degawa: "Altered expression of hepatic CYP1A enzymes in rat hepatocarcinogenesis" Jpn.J.Cancer Res.86. 535-539 (1995)
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[Publications] S.Ozawa: "Formation of 2-amino-3-methylimidazo[4,5-f]quinoline-and 2-amino-3,8-dimethylimidazo [4,5-f] quinoxaline-sulfamates by cDNA-expressed mammalian phenol sulfotransferases" Jpn.J.Cancer Res.86. 264-269 (1995)
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[Publications] M.Shimada: "Age-and sex-related alterations of microsomal Drug-and testosterone-oxidzing cytochrome P450 in Sprague-Dawley strain-derived dwarfrats" J.Pharmacol.Exp.Ther.275. 972-977 (1995)
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[Publications] 山添 康: "発がんと制がんにおける薬物代謝の意義" 薬物代謝学, 11 (1995)