1995 Fiscal Year Annual Research Report
遺伝子マーカーを用いた自家骨髄移植後の造血・免疫能再構築と再発起源細胞の解析
Project/Area Number |
07274226
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
岸 賢治 新潟大学, 医学部・附属病院, 講師 (30186209)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 益広 新潟大学, 医療技術短期大学, 教授 (90179531)
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Keywords | 遺伝子導入 / 自家骨髄移植 / 遺伝子マ-キング / 造血幹細胞 / 白血症 / レトロ・ウイルス / HSV-TK遺伝子 / ガンシクロビル |
Research Abstract |
自家骨髄移植後の造血免疫能の再構築さらに腫瘍再発の起源細胞の解析を目的とし、移植細胞への遺伝子マ-キングを実施するための基礎検討を行った。正常ヒト骨髄よpannning法によりCD34陽性細胞を純化し、造血因子存在下に24-48時間液体培養した。Neo耐性遺伝子を含むレトロウイルスベクター培養上清を加え培養し、さらに導入効率を求めた。CD34細胞への遺伝子導入は造血因子存在下にベクターに暴露して24時間より増加し、上清との共培養時に遠心を加えることにより増強された。CFU-GMへの遺伝子導入は48時間の造血因子培養後ベクター上清とともに遠心後、48時間の培養が最適で導入効率は5.1-35.0%であった。 単純ヘルペスウイルスのHSV-TK遺伝子導入細胞に対するGCVによる殺細胞効果を利用した遺伝子治療につき基礎検討を行った。GCVはHSV-TKによりリン酸化され、DNA合成阻害活性を示し、遺伝子導入癌細胞を障害する。HSV-TK遺伝子導入細胞(TK-K562)のGCVに対する感受性は、臨床投与時における最高血中濃度の1/10程度ですべて死滅した。一方、対象の非導入細胞では、GCVに抵抗性であった。遺伝子非導入K562とTK-K562の混在時のGCV処理は、TK-K562のみでなくK562に対する細胞障害を示し、いわゆるbistander効果を認めた。この効果は、軟寒天内の細胞非接触状態でも観察されたが、液体培養による細胞接触がより効果的で、cell to cell interactionが想定された。 TK遺伝子導入とGCV処理による殺細胞作用のbistander効果を利用した自家移植の際に必要なpurging法として有用と思われるが、遺伝子マ-キング法による自家移植の有効性判定が必要とされる。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Kenji Kishi: "A novel acute promyelocytic leukemia cell line with t(15;17):Differentiation to three types of granulocytes;neutrophil,eosinophil and basophil." Blood. 10. 669a (1995)
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[Publications] Ken Toba: "Classification of cell cycle characterized with DNA/RNA quantitation using 7AAD/PY in hemopoietic malignancy" Experimental Hematology. (in press). (1996)
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[Publications] Naoaki Sato: "Nephrotic syndrome in a bone marrow transplant recipient with chronic graft-versus-host disease" Bone Marrow Transplantation. 16. 303-305 (1995)