1995 Fiscal Year Annual Research Report
変異毒素タンパク質を封入した膜融合リポソームを使ったガン治療の基礎研究
Project/Area Number |
07274239
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
中西 真人 大阪大学, 微生物病研究所, 助教授 (10172355)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
真弓 忠範 大阪大学, 薬学部, 教授 (00098485)
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Keywords | 膜融合リポソーム / ジフテリア毒素 / センダイウイルス |
Research Abstract |
1)CRM22封入膜融合リポソームのin vivo投与によるガン治療実験 本年度は腹水ガンと固形腫瘍について、CRM22封入膜融合リポソームの抗腫瘍効果を詳細に検討するとともに、最も治療効果をあげることができる投与法を検討した。その結果、CRM22を封入してあるが膜融合能を持たないリポソームや、膜融合能は持っているが内部に何も封入していないリポソームではまったく抗腫瘍効果が認められなかった。このことから、少なくとも腹腔や皮下という限定した部位では、膜融合リポソームの持つ細胞内にタンパク質などの高分子物質を導入する活性と、CRM22の持つ強い細胞殺傷能力の組み合わせにより、ガン細胞が特異的に死滅することがわかった。センダイウイルスは培養系ではほとんど細胞特異性を示さないので、今後なぜin vivoでは腫瘍に対する特異性が生まれるのか検討を加える予定である。 2)CRM22タンパク質とその遺伝子による細胞障害活性の検討 CRM22封入膜融合リポソームによるガン治療を実用化するために、まずCRM22の構造と機能について詳細に調べた。CRM22を産生するジフテリア菌のゲノム上の構造遺伝子を解析し、CRM22はジフテリア毒素の180番目のアルギニンコドンが停止ゴトンに変化したためにできた変異体であり、C末端の1アミノ酸残基を除いてフラグメントAと同時であることがわかった。次にCRM22をこの菌の培養上清から回収するため、硫安分画・疏水性クロマトグラフィー・イオン交換クロマトグラフィーで精製した。その結果、100μg/mlの高濃度でもまったく毒性を示さず、エンドトキシン・分解酵素など有害な不純物を含んでいない標本を得、細胞に導入したときの毒性から、このタンパク質がEF-2の不活化によって細胞のタンパク質合成を止め、細胞を死にいたらしめることが確定できた。
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Research Products
(5 results)
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[Publications] Nakanishi,M.: "Gene lntroduction lnto Animal Tissues." Critical Reviews in Therapeutic Drug Camier Systems. 12. 263-310 (1995)
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[Publications] Mizuguchi,H., et al.: "Efficient Gene Transfer into Mammalian Cells Using Fusogenic Liposomes." Biochem.Biophys.Res.Comm.218. 402-407 (1996)
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[Publications] Mizuguchi,H., et al.: "Application of Fusogenic Liposomes Containing Fragment A of Diphtheria Toxin to Cancer Therapy" Bri.J.Cancer. 印刷中.
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[Publications] Mizuguchi,H., et al.: "Intratumor Administration of Fusogenic Liposomes Containing Fragment A of Diphtherai Toxin Supresses Tumor Growth." Canser Letter. 印刷中.
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[Publications] Nakanishi,M., et al.: "Trends and Future Perspectives in Peptide and Protein Drug Delivery" Harwood Academic Publishers, 378 (1995)