1996 Fiscal Year Annual Research Report
CTL認識腫瘍拒絶抗原ペプチドの同定と抗腫瘍効果の検討
Project/Area Number |
07274243
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
中山 睿一 岡山大学, 医学部, 教授 (60180428)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
上中 明子 岡山大学, 医学部, 助手 (50273967)
安治 敏樹 岡山大学, 医学部, 講師 (10032905)
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Keywords | 細胞傷害性T細胞(CTL) / 拒絶抗原 / 抗原プロセッシング / Akt / プロテアソーム / 熱ショック蛋白 |
Research Abstract |
RL♂1拒絶抗原の細胞内プロセッシングの機構 1.プロテアソームの役割 細胞質内蛋白抗原が処理されMHC分子に結合して細胞表面に提示される過程には、まず、プロテアソームが関与すると考えられる。そこでRL♂1細胞の59KDaの変化したAKT分子からpRL1ペプチドが切り出される際のプロテアソームの関与を検討した。その結果、次のことが明らかになった。 1)20SプロテアソームでpRL1b(SIIPGLPLSL)の切り出しがおこるが、アクティベータ-P28Aが存在すると切断は亢進する。 2)pRL1bペプチドの切り出しには、pRL1bの両端のアミノ酸鎖の長さが関与しており、N末端側は7個以上、C末端側に12個以上のアミノ酸が結合している時にpRL1bの切り出しがおこる。 3)pRL1b(SIIPGLPLSL)内の特定のアミノ酸残基を変えると切り出しがおこらない。 2.熱ショック蛋白の役割 熱ショック蛋白は細胞内で分子シャペロンとして働くことが知られている。細胞内プロテアソームで切断されたペプチドがER内に移送されMHC分子と結合する際に分子シャペロンが関与すると考えられる。そこで、細胞質内に局在するhsp70およびhsp90、さらにER内に局在する熱ショック蛋白gp96の三種の熱ショック蛋白についてこれらを精製し結合するペプチドの解析を行った。その結果、hsp70には、オクタマ-ペプチドpRL1aのみが結合し、hsp90には、オクタマ-ペプチドpRL1aの他に、デカマ-の前駆体ペプチドpRL1bとさらに長いペプチドの結合が認められた。さらに、gp96にはオクタマ-ペプチドpRL1aとデカマ-の前駆体ペプチドpRL1bが結合していることが明らかになった。
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[Publications] Wada,H.,et al.: "Rejection antigen peptides on BALB / c RL♂1 leukemia recognized by cytocoxic Tlymphosytes : derivation from the normally untranslated 5′-region of the c-akt proto-oncogen activated by LTR." Cancer Research. 55. 4780-4783 (1995)
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[Publications] Chen,B.-G.,et al.: "Inhibition by CsA and FK506 of the in vitro proliferative response of γδ T cells on stimulation with anti-TCR δ mAb." Transplant Immunol.4. 158-162 (1996)
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[Publications] Ono,T.,et al.: "Production of murine leukemia RL♂1 rejection antigen peptide pRL1a by proteolysis of naturaL precursor pRL1b." Jpn.J.Cancer Res.87. 1165-1170 (1996)
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[Publications] Kakeya,H.,et al.: "A 77 kDa protein from cryptococcus neoformans,a member of the heat shock protein 70 family,is a major antigen detected by sera of mice with pulmonary cryptococcosis." Infect.Immunity. (in press).
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[Publications] 中山睿一: "細胞傷害性T細胞の認識する腫瘍抗原ペプチド" Molecular Medicine臨時増刊号 《免疫1996-97》. 33. 92-100 (1996)
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[Publications] 中山睿一: "腫瘍抗原ペプチド" Mebio. 13. 44-49 (1996)