1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07274246
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
上川路 信博 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (90224659)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹月 健彦 九州大学, 生体防御医学研究所, 教授 (50014121)
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Keywords | HLA / 腫瘍免疫 / 細胞傷害性T細胞 / ペプチド |
Research Abstract |
癌細胞特異的細胞傷害性T細胞を誘導するペプチドの同定を目的に,癌細胞上のHLA分子に結合しているペプチドを解析した.これまでに,相同組み替えの技術を用いて活性化Ki-ras遺伝子を破壊した細胞株を樹立している。これらの細胞を用いて、活性化Ki-ras遺伝子の有無によるHLA分結合ペプチドの差異を解析した。Ki-rasを標的した細胞のHLAをDNAレベルで解析したところ、HLA-A*0201であった。両者の細胞を10^<11>のスケールで大量培養し、HLA-A*0201結合ペプチドを溶出した。タンデムマススペクトロメトリーを用いて、含まれているペプチドイオンを解析したところ、量的に多く再現性の認められた20種のペプチドイオンについては、いずも両者の細胞で認められた。活性化Ki-ras遺伝子をノックアウトしたことで細胞株の腫瘍特性には著しい差が認められたが、HLA結合ペプチドに関しては、現在の感度では、活性化Ki-ras遺伝子の発現に伴って発現するペプチドを検索することはできなかった。そこで、HLA結合ペプチドから腫瘍免疫に関与するペプチドを検出する新しい手段が必要であると考えられ、HLA結合モチーフに基づいたペプチドライブラリーの可能性を検討した。HLA-B51結合モチーフに基づいて30種のペプチドからなる30組のペプチドミクスチャーを合成し、これらのペプチドの細胞傷害性T細胞(CTL)の誘導能を検討したところ、4組のミクスチャーでCTLの誘導が認められた。HLA結合ペプチドライブラリーがCTLを誘導できることが示され、今後、より大きなペプチドライブラリーを作成することで、癌細胞を傷害するT細胞を誘導できる可能性もあると考えられた。
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[Publications] Hori T.: "Japanese cedar pollinosis and HLA-DP5" Tissue Antigen. (in press).
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[Publications] Min W.: "Identification of an epitope for T cells correlated with antibody response to hepatitis B surface antigen in vaccinated humans" Hum. Immunol.(in press).
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[Publications] Mori K.: "Persistent elevation of immunoglobulin G titer against the C region of recombinant group A streptococcal M protein in patients with rheumatic fever" Pediatric Research. (in press).
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[Publications] Sudo T.: "Differences in MHC-class I self peptide repertoires among HLA-A2 subtypes" J. Immunol.155. 4749-4756 (1995)
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[Publications] Dong RP.: "Characterization of T cell epitopes restricted by HLA-DP9 in streptococcal M12 protein" J. Immunol.154. 4536-4545 (1995)