1995 Fiscal Year Annual Research Report
分泌型シグナルを有するSOD遺伝子導入細胞を用いたがん転移抑制
Project/Area Number |
07274268
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
岩川 精吾 神戸薬科大学, 薬学部, 助教授 (50168548)
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Keywords | スーパーオキシドジスムターゼ / 遺伝子導入 / がん細胞浸潤 / シグナル配列 |
Research Abstract |
1.分泌シグナル配列を保有するSODcDNA含有ベクターの構築:PCR法を用いて、インターロイキン-2(IL)のシグナル配列とSODcDNAを結合した組換えDNAを合成し、哺乳動物用発現ベクターに組み入れた。種々の制限酵素やサザンブロットを用いて挿入部位の確認および分泌シグナル配列とSODcDNAを含む挿入した組換えDNAの塩基配列の確認を行った。 2.SODcDNA導入培養細胞からのSOD分泌と細胞特性:無血清培地のもとでL2細胞(ラット肺由来)にSOD遺伝子含有ベクターをリポフェクチンを用いてトランスフェクト、G418を用いて選択培養後、SOD分泌量を酵素活性の測定により検討した。ILのシグナル配列を保有するベクター導入により培養液中のSOD活性が顕著に上昇した。キサンチン-キサンチンオキシダーゼを用いた活性酸素ストレス負荷状態における分泌型SODcDNA導入細胞の細胞障害性について検討したところ、非導入細胞に比較して生存細胞数が多く、またチオバルビツール酸法により測定した細胞の過酸化脂質量も遺伝子導入細胞では低値を示した。従って活性酸素に対する抵抗性を分泌型SODcDNA導入細胞が保持していることを認めた。 3.がん細胞の浸潤に及ぼすSODcDNA導入培養細胞の影響:高転移性のMeth A細胞のマトリゲル通過細胞数がキサンチン-キサンチンオキシダーゼ処理により顕著に増大し、その浸潤をSODが抑制することを認めた。この結果は分泌型SODcDNA導入細胞を用いてがん細胞の浸潤転移が制御可能なことを示唆したため、分泌型SODcDNA導入細胞存在時におけるMeth A細胞のマトリゲル通過性の変動について現在検討中である。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] F. Komada: "Effect of transfection with superoxide dismutase expression plasmid on superoxide anion induced cytotoxicity in rat lung cells." Biol. Pharm. Bull.19. 274-279 (1996)
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[Publications] K. Nishiguchi: "Effect of transfection with the Cu, Zn-superoxide dismutase gene on xanthine/xanthine oxidase-induced cytotoxicity in fibriblasts from rat skin." Pharm. Res.13. 575-580 (1996)