1995 Fiscal Year Annual Research Report
アニオントランスポーターの分子機序:アニオンで誘発される構造変化と透過機構
Project/Area Number |
07276229
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
濱崎 直孝 九州大学, 医学部, 教授 (00091265)
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Keywords | アニオントランスポート / バンド3蛋白質 / 膜蛋白質 / 分子構造と機能解析 / ポリトピック型膜蛋白質 / 異常バンド3蛋白質分子 |
Research Abstract |
アニオン透過の分子機序の解析を目的とする。特に、アニオンが透過活性中心と結合することで誘発されるバンド3蛋白質の構造変化を明らかにする。 本年度は、第一番目の膜貫通部分であることが確認出来ている(Kang,D.et al.,J.Biol.Chem.267,19211-19217)Tyr-390からLys-430までのセグメントについて、重点的な解析を行なう。このセグメントに含まれるAla-400からAla-408までの9アミノ酸残基の欠損バンド3蛋白質は赤血球膜に正常に発現されているにもかかわらず透過活性を全く持たないことが判明している(Schofield,A.E.et al.(1992)Nature 335,836-838)。我々はこの第一番目の膜貫通部分がバンド3蛋白質が正常の高次構造を取るのに重要な役割を担っているという作業仮説を立て、この部分に限局した高次構造の分析を合成ペプチドなどを用いて行なった。 具体的な研究計画と結果を以下に要約する。 (1)バンド3蛋白質のカルボキシ末端の構造変化解析をアニオントランスポート分子機序との関連で解析した結果、カルボキシ末端はバンド3蛋白質の生合成から細胞内移行に重要な役割を果たしていることが非常に強く推測された。この結果はJ.Biochem.118、1192-1198(1995)に発表した。 (2)バンド3蛋白質の膜貫通ドメイン内の蛋白質化学的確認をBand 3-rich Membraneのトリプシン・キモトリプシン・ペプシン消化及び膜から遊離してきたペプチド、膜に残存したペプチドの分離ならびにHPLCなどを用いた精製、それらペプチドの一次構造解析・その分析を行った結果、バンド3蛋白質のようなポリトピック型膜蛋白質はHydopathy Predictionで予測される構造とは、機能的に重要な部分ほど、違っていることが判明した。この結果は、現在、投稿準備中である。
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