1995 Fiscal Year Annual Research Report
アフリカミドリザルにおけるエイズ発症制御機構の研究
Project/Area Number |
07277203
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
村山 裕一 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (20192776)
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Keywords | アフリカミドリザル / エイズ / SIV / CD4 / CD8 / ヘルパーT細胞 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
アフリカミドリザル末梢CD4陽性細胞は、同時にCD8α抗原を低密度で発現しており、リンパ球活性化後、AIDSウィルスのレセプターであるCD4分子が細胞表面上から消失することを現在までに明らかにしている。この結果はCD4陰性のヘルパーT細胞がミドリザル体内で分化していることを示唆しており、この機構によってミドリザルは免疫不全状態に陥らず、AIDS発症を免れているのではないかと考えられた。本年度は、ミドリザル末梢CD4陽性細胞をソ-トした後培養し、CD4分子発現とCD4遺伝子発現を経時的に解析することによって、CD4分子の発現調節について検討した。また、ミドリザルCD4陽性細胞において、活性化後発現されるmRNAの検索を行った。 1 アフリカミドリザルにおけるCD4・CD8分子の発現制御 ミドリザル末梢CD4陽性細胞をFACSで分離後培養し、CD4遺伝子の発現をRT-PCR法で検討した。その結果、リンパ球活性化後、CD4mRNAの発現量の低下と消失が観察され、CD4分子のdown regulationは、転写レベルで制御されていることが明らかになった。また、ミドリザルCD4細胞では、通常のCD8細胞とは異なり、CD8β分子及びCD8β遺伝子の発現が認められないことを明らかにした。 2 アフリカミドリザルCD4陽性細胞で活性化後発現されるmRNAの検索 ミドリザルおよびヒト末梢CD4リンパ球を培養後、mRNAを分離し、Differential Display法でミドリザル活性化CD4細胞に特異的に発現されている遺伝子を検索した。その結果、ミドリザルCD4細胞のみに発現する遺伝子をいくつか同定できた。現在、これらを用いてプローブを作成し、ノーザンブロット法でその特異性を調べている。
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