1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07279105
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
吉岡 亨 早稲田大学, 人間科学部, 教授 (70046027)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高橋 正身 三菱化学, 生命研, 主任研究員
八尾 寛 東北大学, 医学部, 教授 (00144353)
榊原 学 東海大学, 開発工学部, 教授 (10135379)
阿部 輝雄 新潟大学, 脳研, 助教授 (50010103)
桐野 豊 東京大学, 薬学部, 教授 (10012668)
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Keywords | 連合学習 / 瞬目反射法 / 小脳中位核 / 視交叉上核 / SNARE複合体 / Synaphin / ノルアドレナリン / 赤外線顕微鏡 |
Research Abstract |
本研究班の目的は、連合学習法によって起こるシナプス強化・固定のメカニズムを解明することである。そのために種々の動物に対して連合学習法とその効果に対する評価法を確立した後、分子レベルでの変化を解析することになる。 無脊椎動物に対しては、中枢神経系に相異なる二つの刺激を与え、シナプス部位に起こる変化を種々の方法で判定した。ナメクジの場合、脳神経節前葉で観察される膜電位振動がニオイ刺激で変調されることを見いだした(桐野)。ウシウシの場合、B型視細胞の出力がスタトシスト(揺動検出器)からのGABA刺激により変調を受けることを見いだした(榊原)。 哺乳類動物(マウス)に対する連合学習法としては瞬目反射法を取り入れ、一度に4匹のマウスに条件付けすることが出来るようになった。国内各研究室から種々のノックアウトマウスを提供してもらい、条件付けに対する応答の変化が、いずれのノックアウトマウスに於いても顕著に見られた。また、これらノックアウトマウスではサーカディアンリズムにも異常を示すことが分かった。これらの諸事実から小脳中位核や視交叉上核の重要性が示唆された(吉岡)。 このほか、シナプス伝達に伴う様々な研究成果が得られた。即ち高橋はPC12細胞を用いてSNARE複合体がATP依存的に解離することを見いだした。阿部はシナプス融合に関与すると思われる新しい可溶性タンパクSynaphin(19kD)を見いだした。また、八尾はプレシナプスからの伝達物質放出がノルアドレナリンによって促進されることを見いだした。工藤は赤外線顕微鏡を用い海馬・小脳のスライス(厚さ400μm)の標品中の神経細胞の樹上突起を可視化し、パッチクランプ法を適用する技術を確立した。
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[Publications] Kim, C. S., et al.(吉岡): "Alzheimer and β-amyloid-treated fibroblasts demonstrate a decrease in a memory associated GTP-binding protein, Cp20" Proc. Natl. Acad. Sci. USA. 92. 3060-3064 (1995)
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[Publications] Inoue, H. et al.(吉岡): "A novel function for nucleoside diphosphate kinase in Drosophila" Biochem. Biophys. Res. Commun.(in press).
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[Publications] Olds, J. L. et al.(吉岡): "Imaging protein kinase C activation in living sea urchin eggs after fertilization" Develop. Biol.(in press).
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[Publications] Ishizuka, T. et al.(阿部): "Synaphin: a protein associated with the docking/fusion complex in presynaptic terminals" Biochem. Biophys. Res. Commun.213. 1107-1114 (1995)
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[Publications] Ibaraki, K. et al.(阿部): "Identification of four different forms of syntaxin 3" Biochem. Biophys. Res. Commun.211. 997-1005 (1995)
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[Publications] Simazaki, Y. et al.(高橋): "Phosphorylation of SNAP-25, A possible Involvement in Protein Kinase C-mediated Regulation of Neurotransmitter Release" J. Biol. Chem.(in press).
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[Publications] 吉岡 他: "シナプス伝達のダイナミクス" 培風館, 146 (1995)