1995 Fiscal Year Annual Research Report
成長円錐からシナプス終末へ:成長円錐の停止信号とシナプス小胞の形成機構のリアルタイム解析
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07279208
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
五十嵐 道弘 群馬大学, 医学部, 助手 (50193173)
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Keywords | 成長円錐 / シンタキシン / ボツリヌス毒素 / SNARE仮説 / SNARE複合体 / 神経成長 |
Research Abstract |
成長円錐の機能の一つは神経突起の伸長機能であり、このためには膜面積の拡大が生ずる必要がある。この機構は分かっていないが、成長円錐の小胞にその起源を求める考え方がある。報告者は「シナプス小胞の融合と同じメカニズムで小胞融合が成長円錐で生じて、その結果、突起の膜面積が拡大する」という、仮説を立て、その検証を行った、融合に必須の蛋白質シンタキシンを選択的に分解する活性を有するボツリヌス毒素C1を培養神経細胞に投与すると、成長円錐の退縮が生じた。成長円錐の退縮は、成長円錐機能の抑制を意味するので、シンタキシンが成長円錐の機能に必須であることが証明された。さらに、この過程をビデオで観察すると、小胞の多い領域の面積が選択的に縮小し、中に多数の巨大空砲が集積する像が観察された。これらの空砲は小胞同士が融合して形成される像も観察された。また、これらの空砲の表面積の総和が成長円錐での突起の膜面積拡大に相当するものであることが、画像解析によって示された。従って、巨大空砲は、毒素処理によって小胞が膜に融合出来ず、過剰に蓄積した小胞同士の異常な融合で形成されることが明らかとなった。さらに成長円錐の表面をFITC-WGAでラベルすると、成長円錐の螢光強度は経時的に減弱するが、毒素処理群ではその消退が遅延することを見いだした。これは成長円錐で膜付加が生じていることを証明している。よって、成長円錐ではシンタキシンが他の蛋白とSNARE複合体を形成して、膜小胞の形質膜への融合が起こり、膜面積が拡大して突起が成長することが証明された。
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Research Products
(3 results)
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[Publications] Igarashi M et al.: "Ligand-induced growth core collapse." Journal of Neuroscience. 15. 5660-5667 (1995)
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[Publications] 五十嵐道弘: "成長円錐の情報伝達系" 蛋白質核酸酵素. 40. 1100-1114 (1995)
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[Publications] 五十嵐道弘: "神経突起伸展とG蛋白質" BRAIN MEDICAL. 7. 149-155 (1995)