1995 Fiscal Year Annual Research Report
シナプス部に存在する新しい蛋白質NAP-22の機能解析
Project/Area Number |
07279222
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Research Institution | Kyoto Institute of Technology |
Principal Investigator |
前川 昌平 京都工芸繊維大学, 繊維学部, 助教授 (40173695)
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Keywords | 分泌 / 神経 / シナプス / GAP-43 / NAP-22 / カルモジュリン |
Research Abstract |
シナプス部位に存在するNAP-22の解析を中心にこの蛋白質の局在領域の分析を行い以下の成果を得た。 (1)NAP-22局在部位の解析 免疫組織化学的解析の結果はNAP-22がシナプス前膜とシナプス小胞に局在していることを示している。そこでシナプス小胞画分を生化学的に単離しこの画分中のNAP-22量を定量し小胞あたりの分子数を求め約0.5分子という値を得た。すなわちすべての小胞が構成成分としてNAP-22を持つのではないことを示している。実際組織切片でもNAP-22抗体で染まるシナプスと染まらないシナプスの存在が確認された。 (2)NAP-22の存在する領域の生化学的解析Triton不溶性画分でのNAP-22の存在状況の解析を試みた。Triton処理、低イオン、高イオン処理に抵抗性でショ糖密度勾配遠心で低比重の画分にNAP-22は回収されてくることがわかった。この画分をSDS-PAGEで分析すると主要な蛋白質としてNAP-22以外に120k,42k,38k,33k等の分子量を持つ蛋白質が存在する。2次元電気泳動、免疫ブロット及び部分アミノ酸配列決定より38k,33kバンドの主要成分としてG蛋白質のGoαとβサブユニットを、42kをGAP-43と、120kをN-CAMと同定した。一方この画分でマウスを免疫すると38kのバンドが強い抗原性をもち神経軸索に特異的に存在することがわかった。発生過程での発現や画途中での挙動、組織染色の結果はこの抗原がG蛋白質のGoαやGiαとは明らかに異なっていることを示している。すなわち38kのバンドには複数の蛋白質が存在することが分かった。
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