1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07279226
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小倉 明彦 大阪大学, 理学部, 教授 (30260631)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨永 恵子 大阪大学, 理学部, 助手 (60256196)
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Keywords | 切片培養 / 海馬 / シナプス可塑性 / 遺伝子導入 / 生細胞染色 / 緑色蛍光蛋白 |
Research Abstract |
本研究は重点領域研究の公募研究なので単年度申請となっているが、実質は2年計画の初年度である。全体として(1)ラット脳海馬皮質の切片回転培養の安定化・高収率化、(2)培養神経細胞の生細胞染色法の確立、(3)切片中の神経細胞の連続的な形態観察のためのハードウェアおよびソフトウェアの設定、(4)培養神経細胞への外来遺伝子導入・発現法の確立、という計画のうち、平成7年度においては(1)(2)を行う予定であった。さて、(1)については培養基質であるカバーグラスのポリカチオンコーティング、回転速度の二段階化、培地量の二段階化などによって、既報の方法の収率(20〜30%)を凌ぐ(培養開始2週間後の時点で70%以上)高安定・高収率の切片培養を実現した。(2)については、当初DiI、DisC3(5)などの脂溶性蛍光色素による細胞膜の物理的染色を行ったが、神経細胞のみならずグリア細胞も強く染色され、次ステップの形態観察を可能にするため染色によってコントラストを上げるという目的に合致しなかったため、方針を外来遺伝子の導入による生体染色法に転換した。アデノウィルスベクター系に着目し、これにクラゲ由来の緑色蛍光蛋白(GFP)遺伝子を組み込んで導入することを当面の目標とし、まずCAGプロモーターを用いて基礎検討を行った。その結果、従来困難とされていた神経細胞などの非増殖性の細胞への外来遺伝子の導入・発現に成功した。現在、プロモーターを神経特異的な蛋白のそれに組替えたベクターを作成中であり、これに成功すれば、(2)と(4)を同時に達成できることになる。(3)についてはビデオ間欠撮影のためのソフトウェアを作成中である。
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[Publications] Hama,T.: "A 13-mer peptide of a brain-injury-derived protein supports neuronal survival" Journal of Biological Chemistry. 270. 29067-29670 (1995)
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[Publications] 小倉明彦: "培養神経細胞の細胞内カルシウム測定「バイオマニュアル」" 羊土社(印刷中),
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[Publications] 冨永恵子: "脳切片培養法「神経細胞培養法(畠中寛編)」" シュプリガー日本(印刷中),