1995 Fiscal Year Annual Research Report
神経活動に依存した大脳皮質視覚野機能構築の細胞・分子機構
Project/Area Number |
07279246
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Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
今村 一之 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究副部長 (30203326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡辺 恭良 (財)大阪バイオサイエンス研究所, 第3研究部, 研究部長 (50159969)
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Keywords | サブプレート / カイニン酸 / 眼優位カラム / シナプス可塑性 / 発達 / 線条皮質 / 外側膝状体 / ネコ |
Research Abstract |
高等哺乳動物の大脳視覚野においては、生後発達初期に神経活動に依存して、神経細胞の視覚反応特性に著しい変化が生じることが知られている。例えば、感受性期に片眼を遮蔽すると、視覚野のニューロンの眼優位性分布に著しい変化が誘導される。この眼優位可塑性の細胞機構として、これまで両眼競合仮説(発達期の視覚野では両眼の入力が同一細胞のシナプス後膜、あるいは、シナプス後細胞由来の栄養因子をそれぞれの神経活動に依存して、互いに競合して占有しようとしている)が提唱されてきており、両眼競合を可能とする視覚野内の特徴的な構造の一つに眼優位カラムが考えられている。眼優位カラムの正常な形成には、中枢視覚経路の神経活動の他にsubplate cell(大脳発達の初期過程で皮質の底部に発現し、LGNなどの視床核と大脳皮質との間に一過性の神経結合を持ち、LGN axonと皮質ニューロンとの神経結合が完成するとアポトーシスにて消失する)の働きが重要であることが示唆されてきている。我々はまず、生後数日の仔ネコの大脳視覚野にカイニン酸を局所注入し、subplate cellの破壊をおこなった。カイニン酸処理を施された動物の視覚野への個々のLGN軸索の終止様式を詳細に検討するために、LGNの背側層に限局してPHA-Lを注入してこれらを順行性標識する実験をおこなった。その結果、通常皮質第4層と6層の一部に限局して終止するはずのLGN軸索終末が、皮質の表層部のまで達し、2-3層に多くの分枝をだしていることがはじめて明らかになった。この新奇的な発見により、LGN軸索終末とsubplate cellの相互作用を通じて、軸索が皮質第4層に終止するために必要な分子発現の調節が行われることが示唆された。
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[Publications] 今村一之: "大脳皮質視覚野におけるシナプス可塑性とその調節機構" 視覚の科学. 17(2). (1996)
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[Publications] Imamura, K.: "Functional imaging of an adaptive process to the inverted vision" Proceedings for Peace through Mind/Brain Science. 78-82 (1996)
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[Publications] Imamura, K. et al.: "Changes in regional cerebral blood flow by flash and patterned visual stimulation in monkey visual cortex." Abstracts, Soc. for Neurosci.21. 1652 (1995)
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[Publications] Mataga, N. et al.: "Drug-induced changes in expression of tissue-type plasminogen activator and ZIF268 mRNAs in rat visual cortex." Abstracts, Soc. for Neurosci.21. 393 (1995)