1995 Fiscal Year Annual Research Report
ペプチドライブラリーを用いたMHC-ペプチド複合体の相補的安定化要因の解析
Project/Area Number |
07280212
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
宇高 恵子 京都大学, 大学院・理学研究科, 助手 (40263066)
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Keywords | MHC / ペプチドライブラリー / タンパク構造 / 安定性 |
Research Abstract |
8アミノ酸長、9アミノ酸長のペプチドライブラリーを合成し、MHCのペプチド結合部位のアミノ酸選択度を判定量化した。ライブラリーの基本デザインは各々のアミノ酸位をひとつのアミノ酸で固定し、その他の部分には19アミノ酸等モルに代表された混合物(Xと表記する。例えばXXXGXXXX)を用いることにより、近傍のアミノ酸による効果を平均化させたものである。このライブラリーの結合度をすべての位置をランダム化させたXXXXXXXXと比較することにより固定したアミノ酸のMHCへの結合、構造の安定化に対する貢献度を単離した。貢献度はMHC-ペプチド複合体の熱安定性を50%達成させるペプチドの濃度で表した。この値はMHC-ペプチドの会合に要するGibb'sの自由エネルギーに相関すると考えられる。8-アミノ酸長のデータは論文に発表した。次に各アミノ酸の貢献度を加算的に扱い、任意のペプチド配列につき、結合度を予想させるプログラムを作成し、データベースに登録されたタンパク質中に存在するペプチドのMHC安定化能を予想させた。この方法ではなぜか主要アンカー位の評価がやや低く見積もられる傾向があるが、既知の主要アンカーの情報と組み合わせると、平均300アミノ酸長程度のタンパク質において自然な抗原プロセシングを経てMHCに結合していることが知られているペプチドのほとんどは結合能の高い上位5位に含まれていた。このことは、MHC-の構造の安定化にペプチドのアミノ酸側鎖から供給される結合エネルギーがある程度独立して貢献することを示している。一方、非加算的要素も含まれることを示すデータも得られた。
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[Publications] Keiko Udaka: "Decrypting the structure of MHC-1 restricted CTL epitopes with complex peptide libraries." J.Exp.Med.181. 2097-2108 (1995)
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[Publications] Keiko Udaka: "Tolerance to amino acid variations in peptides binding to the MHC class I protein H-2K^b." J.Biol.Chem.270. 24130-24134 (1995)
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[Publications] Keiko Udaka: "Decrypting class I MHC-bound peptides with peptide libraries." TiBS(Trends in Biochemical Sciences). 21. 7-11 (1996)
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[Publications] Keiko Udaka: "Decrvpting the structure of cytotoxic T lymphocyte epitopes with complex peptide libraries." Current Topics of Molecular Evolution. (in press). (1996)
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[Publications] 宇高恵子: "MHC分子によって提示される抗原ペプチドの免疫学的解析" 炎症と免疫. 4(2). 16-23 (1996)