1995 Fiscal Year Annual Research Report
Trp合成酵素αサブユニットのX線解析による三次および四次構造構築原理の解明
Project/Area Number |
07280220
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
森本 幸生 徳島大学, 工学部, 助教授 (80200450)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
月原 冨武 大阪大学, 蛋白質研究所, 教授 (00032277)
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Keywords | トリプトファン合成酵素 / 立体構造構築原理 / X線解析 |
Research Abstract |
蛋白質の立体構造形成および四次構造形成のメカニズムを解明するために、大腸菌トリプトファン合成酵素αサブユニットのX線結晶構造解析を行った。本酵素は本来、αβサブユニット複合体として生体に存在し酵素機能を示す。そこで、αサブユニット単体の構造解析を行えば、単体での立体構造形成、またβサブユニットとの複合体形成の機構など、蛋白質の折れたたみおよび高次構造形成のメカニズムを明らかにできる。 野生型αサブユニットの結晶化を行い、高エネルギー物理学研究所のシンクロトロン放射光によるワイセンベルグカメラおよび実験室設置のDIP-2000回折計による回折実験とデータ収集を行った。格子定数はa=158.5,b=45.4,c=75.2A,b=96.9、空間群はC2であった。X線反射強度は、2.5A分解能までの独立な15,613個(completeness 87.2%)のデータを得ることができた。構造解析は、サルモネラ菌トリプトファン合成酵素をモデルとして、XPLORにより分子の相対配置および配向を決め、FRODOによりモデルを作成し、構造を決定した。 本研究でのαサブユニットの結晶では、分子量から求められた格子内でのサブユニットの数は8であった。これは非対称単位中に独立な2分子(2サブユニット)が存在することを意味する。この2分子は、非結晶学的な2回軸で関係づけられ、その接触領域は、αサブユニットがαβ複合体を形成するときにβサブユニットと接触する領域とほぼ同じであった。このことは、βサブユニットと複合体を形成しないときでも、βサブユニットと接触する領域付近でお互いが会合しα2ダイマーを形成していることを示している。このことから、αβ複合体を形成する能力は、少なくともαサブユニット側にも持っているものと考えられた。現在、2.5A分解能での束縛最小自乗法PROLSQによる構造の精密化を行っている。
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Research Products
(1 results)