1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07282103
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research on Priority Areas
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
米田 悦啓 大阪大学, 医学部, 教授 (80191667)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
益子 信郎 郵政省通信総合研究所, 関西先端研究センター・ナノ機構研究室, 室長
大野 陸人 京都大学, 理学部, 助手 (80201979)
鎌田 真司 大阪大学, 医学部, 助手 (20243214)
藤田 尚志 東京都臨床医学総合研究所, 腫瘍細胞研究部門, 室長 (10156870)
大島 靖美 九州大学, 理学部, 教授 (90037606)
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Keywords | 核蛋白質輸送 / 核膜孔ターゲティング複合体 / mRNA輸送 / アポトーシス / 転写因子複合体 / 細胞核 / 細胞内情報伝達 / 画像解析 |
Research Abstract |
細胞核と細胞質の間の情報交換の分子メカニズム解明は、細胞核の機能的構築を考える上で、極めて重要である。本研究は、このような視点に立って、以下のような成果を挙げてきた。 1.核蛋白質の核への移行は、細胞質において、核蛋白質を中心に核膜孔ターゲティング複合体と呼ぶ大きな複合体が形成されて核膜にまで輸送されることが明らかとなった。この複合体を構成する2つの必須因子を同定し、それらを分子量から、PTAC58,PTAC97と名付けた。PTAC58は、核局在化シグナルを認識する分子であり、PTAC97は、PTAC58に1:1で結合して、核膜孔にまでその複合体を運ぶ役割を果たすことが明らかとなった。 2.分裂酵母を用いて、mRNAの核外輸送に障害を持つ温度感受性変異株を分離し(mrt1、mrt3)、それぞれの変異を相補する遺伝子の分離に成功した。 3.STAT関連の転写因子複合体ISGF3に着目し、この複合体がインターフェロン遺伝子のウィルス感染による転写活性化にも関与していることを明らかにした。また、この転写を抑制するクロマチン蛋白質の存在が示唆された。 4.細胞質から核への情報伝達を考える上で、アポトーシスは1つの重要なモデル系になると考え、研究を進めてきたが、アポトーシスに関与するIceファミリー遺伝子として、ric-2,ric-3と呼ぶ遺伝子を同定した。 5.蛍光物質で標識した核蛋白質を生きた培養細胞の細胞質にインジェクションした後、その動きをリアルタイムで解析するシステムの開発をスタートさせることができた。 以上のように、主として、細胞質から核への物質輸送のメカニズムの分子レベルでの解明が進んだ。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Imamoto,N.: "A karyophilic protein forms a stable complex with cytoplasmic components prior to nuclear pore binding." Journal of Biological Chemistry. 270. 8559-8565 (1995)
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[Publications] Imamoto,N.: "In vivo evidence for involvement of a 58 kDa component of nuclear pore-targeting complex in nuclear protein import." EMBO Journal. 14. 3617-3626 (1995)
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[Publications] Imamoto,N.: "The nuclear pore-targeting complex binds to nuclear pores after association with a karyophile." FEBS Latters. 368. 415-419 (1995)
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[Publications] Ishizaka,M.: "Isolation of active ribozymes from an RNA pool of random sequences using an anchored substrate RNA." Biochem. Biophys. Res. Comm.214. 403-409 (1995)
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[Publications] Kamada,S.: "Bcl-2 deficiency in mice leads to pleiotropic abnormalities: accelerated lymphoid cell death in thymus and spleen, polycystic kidney, hair hypopigmentation and distorted small intestine." Cancer Research. 55. 354-359 (1995)
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[Publications] Yoneda,Y.: "Nuclear export and its significance in retroviral infection." Trends in Microbiology. 4. 1-2 (1996)
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[Publications] 立花太郎: "GTP結合蛋白質" 羊土社, 312 (1995)