1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07282212
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Research Institution | Nara Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
吉川 寛 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 教授 (70019876)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
白髭 克彦 奈良先端科学技術大学院大学, バイオサイエンス研究科, 助手 (90273854)
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Keywords | 出芽酵母染色体 / 複製開始点 / 自律的複製配列 / 開始点結合蛋白複合体 |
Research Abstract |
出芽酵母の自律的複製配列(ARS)が染色体上の複製開始点として機能する効率は著しく異なっている。効率の違いはARSを取り巻く染色体の構造一塩基配列、結合蛋白、高次構造によって決定されると考えられる。本研究では我々が既に分離同定した第6染色体上の9個のARSに着目し、それぞれが染色体上での複製開始点として働く能力と活性を決定する要因を明かにすることを目的とした。 先ず正常な増殖細胞に於けるARSの開始点としての使用頻度を測定したところ、細胞周期毎に必ず一回使用されているのは5個であり、2個は3周期に1回、残る1個は20周期に1回以下の低頻度であった。次に開始頻度に影響するタンパク質因子を検索する目的で、種々の細胞周期調節遺伝子群の温度感受性変異株を用いて、半許容温度の増殖条件で開始頻度を測定した。その結果複製開始調節経路の上位にある制御因子と複製装置に含まれる因子の変異では全ての開始点の頻度が一様に低下すること、これに反しARSに直接または間接的に結合する因子は開始点毎に異なる影響を与えることが明かになった。このことは開始点領域のDNA-蛋白複合体の構造が開始点毎に微妙に異なっていることを示している。複合体の構造体をより詳細に解析するため、開始点結合蛋白複合体(ORC)の成分であるORC1蛋白の誘導合成系を作成し、ORC1の欠乏に伴い、開始頻度が減少することを観察している。今後、ORC1の代謝回転とそれによる開始点複合体の構造変化、開始点特異性の有無を検討する。
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Research Products
(1 results)