1995 Fiscal Year Annual Research Report
酵母ゲノム染色体におけるクロマチンの機能構造と転写調節機構
Project/Area Number |
07282217
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
清水 光弘 東京薬科大学, 薬学部, 助手 (80231364)
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Keywords | クロマチン / ヌクレオソーム / 転写制御 / 転写因子 / DNAの高次構造 / 酵母 |
Research Abstract |
1.Zinc-finger蛋白質Rmelpによる遠隔的な転写抑制機構 IME1(Inducer of Meiosis)は,S.cerevisiaeの減数分裂の開始を制御するマスター遺伝子であり,Rmelp(Repressor of Meiosis)は,一倍体細胞においてIME1の転写を抑えることによって減数分裂開始を阻害している.Rmelpによる転写抑制機構を明らかにするために,IME1,RME1の変異株を用いて,酵母ゲノムIME1遺伝子上流をin vivofootprint法によって解析した.その結果,1)ゲノムのIME1上流における-2030と-1950の2つのRmelpの結合部位は,IME1の転写抑制,胞子形成阻害に必要である,2)ヌクレオソームがポジショニングすることによって2つのRmelpの結合部位が空間的に近くに配置される,3)CYC1プロモーターにおいて,Rmelpは約300〜400bp離れた部位からactivatorsの結合を阻害する,4)Rmelpによるactivatorsの結合阻害及び転写抑制には,グローバルな転写因子Rgr1pとSin4pが必要である,などを明らかにした.以上のことから,Rme1pはRgr1p,Sin4pと協同して,転写不活性なクロマチンドメインを構築する,というモデルを提唱した. 2.クロマチンの構築におけるDNAの高次構造の役割 ヌクレオソームの形成・排除におけるDNAの高次構造の役割を明らかにするために,ヌクレオソームの中央またはリンカー部位に様々なnon-B型DNA配列を挿入し,in vivoでのヌクレオソーム形成に及ぼす影響について解析した.その結果,d(A)n・d(T)n,d(G)n,d(C)n,d(CG)n配列はヌクレオソームを破壊すること,またd(GA)n,d(AT)n配列はヌクレオソームのポジショニングに大きな影響を及ぼすことを明らかにした.
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