1995 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07283218
|
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
小林 英紀 九州大学, 大学院・医学系研究科, 助教授 (20150394)
|
Keywords | 細胞周期 / 減数分裂 / サイクリン / サイクリン依存キナーゼ |
Research Abstract |
サイクリンはcdkと結合してcdkキナーゼ活性のON-OFFを調節することで細胞周期進行を制御する。サイクリンとcdkはサブファミリーから成り、それぞれタイプの組み合わせでサイクリン-cdk複合体を形成して細胞周期の各時期の進行を担っている。A型サイクリンには生殖型と体細胞型の2つのタイプがしられ、それぞれ生殖細胞系列と体細胞細胞周期で特異的機能を持つことが推測される。細胞周期におけるサイクリンAの機能を明らかにするため、Xenopus生殖細胞型サイクリンA1と体細胞型サイクリンA2のcDNAを出芽酵母の発現ベクターにつないでGAL1プロモーターにより発現させた。サイクリンA1とサイクリンA2は共に酵母の生育を阻害した。サイクリンA1は細胞周期のS期進行を阻止したが、出芽過程とチューブリン伸張は阻害されなかった。サイクリンA1による細胞周期進行阻止はサイクリンA1と酵母Cdc28の複合体に依存したキナーゼ活性による。サイクリンA2による特定時期での細胞周期進行阻止は観察されなかった。次に、生殖サイクリン1による細胞周期停止抑圧する酵母変異株(サプレッサー変異)を分離し、酵母ゲノムライブラリーを用いてその遺伝子をクローニングし、サイクリンAによる細胞周期阻止に関与する遺伝子を同定した。現在、CDC28、DED1、YDJ1の3つの異なる遺伝子を同定している。cdc28サプレッサーの解析を行い、サイクリンA1の結合能を消失するCDC28の変異によりM期進行なしにDNA合成を繰り返すことを見いだした。
|
-
[Publications] 小林英紀: "細胞周期と癌抑制遺伝子" 臨床病理. 44. 3-11 (1996)
-
[Publications] S. Miyake, I. Saito, H. Kobayashi, et. al.: "Identification of two Xenopus laevis genes, xMCM2 and xCDC46, with sequence homology to MCM genes involved in DNA replication." Gene. (印刷中). (1996)