1995 Fiscal Year Annual Research Report
大学附属病院における卒後臨床研修の在り方に関する調査研究
Project/Area Number |
07300001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Co-operative Research (A)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
磯野 可一 千葉大学, 医学部, 教授 (70009489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
紀伊國 献三 東京女子医科大学, 客員教授 (10114068)
新美 仁男 千葉大学, 医学部, 教授 (40009147)
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Keywords | 卒後臨床研修 / 到達目標 / 義務化 / 研修プログラム / 大学附属病院 |
Research Abstract |
本年度の調査研究により、以下の点が明らかとなった。 1)卒後臨床研修の抜本的改善・充実の必要性。 2)この改善・充実のためには、到達目標を設定し、この目標達成のためのプログラムを、病院全体として、研修指定病院等との連携に於いて作成する。完遂するための評価並びに指導体制の確立が必要である。 3)卒後臨床研修は、卒前教育、専門研修・生涯研修と継続性・一貫性がなければならない。その改善・充実にはこれらを通じて一貫した教育を行い、且つ、その継続性に於いて改善出来るのは大学附属病院であり、その中心的役割を有しなければならない。 4)大学附属病院は、各自、自主性、独自性の中に、各々特色あるプログラムを作成し、その評価を行い、到達目標を達成するために努力をする必要がある。 5)卒後臨床研修の義務化は、医師免許、保険医の問題に関連し、これら資格の制限は、基礎研究者への誘致を阻害し、又、臨床医にあっては、医師としての責任ある医療行為の制限にもつながるため、義務化に関連する規制は、今後日本の医学・医療の発展にマイナスの要因となる恐れがある。 6)今後、到達目標の作成・改善、研修プログラムの評価、更には財源処置・配分などに関して全国レベルの大学附属病院・臨床研修指定病院関係者などによる独立組織の設置の必要性が考えられる。 以上、教育・研究・診療を自からの手で行い、真に日本医学の発展と、絶えず国民に良質の医療を行わんとして努力している大学附属病院が中心となり、待遇改善を期し、卒業臨床研修を、時代の要請に則した幅広い期待される医師の養成のため、自主努力によって抜本的に改善せんとするものである。
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